日本ではクリスマスはキレイに着飾って家族や恋人、友達と過ごすという人も多いと思いますが、こちらアメリカではあえてダサすぎるセーターを着てクリスマス気分を盛り上げようという、ちょっと変わった文化が流行中。毎年12月の第3金曜日をダサいクリスマス柄のセーターを着る日とする「ナショナル・アグリー・セーター・デー」という国を挙げた記念日まで作られているほどです。

この時期になると、お店にはアグリー・セターやアクセサリーなど小物が商品棚にたくさん並びます
この時期になると、お店にはアグリー・セターやアクセサリーなど小物が商品棚にたくさん並びます
こんなダサいセーター誰が着るの?と言うものが、より人気です(写真はアグリ-・クリスマス・セーターを専門に扱うオンラインショップより)
こんなダサいセーター誰が着るの?と言うものが、より人気です(写真はアグリ-・クリスマス・セーターを専門に扱うオンラインショップより)

ハリウッド映画やアメリカのドラマなどで、ダサダサの赤や緑色のセーターを着ているシーンを見かけたこともある人も多いと思いますが、雪だるまやサンタクロース、トナカイ、クリスマスツリーなどが描かれたアグリー・セーター、つまりダサいセーターをクリスマスに着る文化は、2010年頃から流行り始めました。今ではビヨンセやミラ・クニス、マイリー・サイラス、マット・デイモンらハリウッドセレブたちもアグリー・セーターを着てテレビ出演したり、写真をSNSに投稿するなど、すっかり文化として定着しています。でもそもそもなぜ、アグリー・セーターがここまで流行ったのかというと、ひと昔前のアメリカではクリスマスプレゼントとしておばあちゃんが孫に着るのが憚れるクリスマス柄の派手な手編みセーターを贈る風慣があったことから、子供の頃に一度はそんな経験をしたという世代がそのダサさを逆手にとってジョークギフトとして贈るようになったことが始まりだったと言われています。今ではイベント感覚で、皆でアグリー・セーターを着て楽しむことが主な目的になっています。

マット・デイモンやビヨンセらハリウッドセレブたちもこの時期はアグリー・セーターを着てお出かけします(写真はイン・スタイル誌のHPより)
マット・デイモンやビヨンセらハリウッドセレブたちもこの時期はアグリー・セーターを着てお出かけします(写真はイン・スタイル誌のHPより)
あのベッカムだって着ています!(写真はピープル誌のHPより)
あのベッカムだって着ています!(写真はピープル誌のHPより)

今年のナショナル・アグリー・セーター・デーは21日でしたが、その日は家族や友人とアグリー・セーターを着て集まってパーティーをしたという人もたくさんいました。アグリー・セーターを着ていることが参加の条件で、パーティーによっては一番ダサいセーターを着ていた人にプレゼントが贈られたり、参加者全員でお揃いのセーターを着て記念写真を撮るなどある種ゲーム感覚で楽しめるのが最大の魅力です。また、この日は職場や学校にもアグリー・セーターを着て行く人も多く、SNSで写真をシェアして皆でそのダサさを競い合っています。でも実はアグリー・セーターを着るのはこの日だけとは限らず、クリスマス前後のこの時期は子供だけでなく、大人までもが街中でも堂々とアグリー・セーターを着て歩く姿をよく見かけますが、皆本気でダサさを追求しているのでなんだかとても新鮮です。

アマゾンでは様々な柄のセーターが売られています(写真はアマゾンより)
アマゾンでは様々な柄のセーターが売られています(写真はアマゾンより)
クリスマスの定番アニメ「グリンチ」のキャラクター入りのセーターも(写真はメイシーズオンラインより)
クリスマスの定番アニメ「グリンチ」のキャラクター入りのセーターも(写真はメイシーズオンラインより)
もはやセーターとは呼べないようなものまで登場(写真はアグリー・セーター専門サイトより)
もはやセーターとは呼べないようなものまで登場(写真はアグリー・セーター専門サイトより)

「80年代に着ていたわ」なんて懐かしがる人もいるアグリー・セーターは、どこで買えるのかというと、ターゲットやウォルマートなどの量販店の他、ショッピングモールやパーティーグッズを扱う専門店などでも買うことができる他、アマゾンなどオンラインでもたくさん売られています。また、「アグリー・クリスマス・セーター」専門のサイトまであり、もはやセーターとは言えないティラノサウルスがセーターから飛び出しているものや、サンタクロースがぶら下がっているようなユーモアたっぷりのセーターもあります。皆で一緒に着れば怖くない?! 今年のアグリー・セーター・デーもたくさんの人が悪趣味なセーターを着て楽しんだようです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」)