クランブス&ウィンカーズでは保護猫たちがお客様をお出迎えしています(写真は公式インスタグラムから)
クランブス&ウィンカーズでは保護猫たちがお客様をお出迎えしています(写真は公式インスタグラムから)

飼育数が犬の数を上回るなど猫ブームに沸く日本ではすっかり定着している猫カフェですが、ロサンゼルス(LA)でもここ数年は猫カフェが次々とオープンしています。日本では猫と触れ合うことが目的の猫カフェですが、LAでは野良猫や捨て猫たちに新しい家族を探すための場所となっています。LAに初めて猫カフェがオープンしたのは2016年こと。おしゃれなショップが立ち並ぶメルローズ・アベニューにオープンした「クランブス&ウィンカーズ」にいるのは、全てシェルター(保健所)から引き取られた猫たちで、訪れた人たちは猫と触れ合うだけでなく、お気に入りの子を見つけたら里親として家族に迎えられるシステムになっています。

元カレの名前を書いたトイレで猫に用を足してもらおうというバレンタイン向けの企画が発表され、多くの女性がカフェを訪れて猫用トイレに名前を書いたそう(写真は公式フェースブックから)
元カレの名前を書いたトイレで猫に用を足してもらおうというバレンタイン向けの企画が発表され、多くの女性がカフェを訪れて猫用トイレに名前を書いたそう(写真は公式フェースブックから)

路上で暮らすホームレス猫や殺処分されそうな猫たちを助けることを目的にオープンしたもので、1匹でも多くの猫たちが新しい家族と出会うための場として猫好きたちの間でじわじわ人気となり、インスタグラムやフェースブックなどSNSでもかわいい猫たちの様子が公開されています。料金は15分の触れ合いが15ドルで、全て時間制で3種類のコースがあり、パリス・ジャクソンら多くのセレブも訪れています。飲み物やフードのオーダーも可能で、まったりとお茶を飲みながら猫たちを眺めたり、一緒に遊んだりすることができます。またここでは猫と触れ合うだけでなく、ユニークなイベントも行われており、今年のバレンタインデーには猫用トイレの中に元カレやフレネミー(友人を装う敵)など憎き相手の名前を書いてもらい、最後にそこで猫たちに豪快に用を足してもらう様子を生中継する企画を発表。これが女性たちに大受けし、多くの人がカフェを訪れてトイレが元カレの名前で埋め尽くされたそうです。

ムーン・キャット・カフェのトレーラーの中でくつろぐ猫(写真は公式HPから)
ムーン・キャット・カフェのトレーラーの中でくつろぐ猫(写真は公式HPから)

ちょっと変わったところでは、移動式の猫カフェもあります。「ムーン・キャット・カフェ」は、トレーラー式のカフェながらスタイリッシュな洗練されたデザインで落ち着く空間を提供。LA近郊で行われているさまざまなイベントに出展し、お茶を飲みながらトレーラー内で猫たちと触れ合うことができると人気を博しています。もちろんここの猫たちも保護猫ですが、トレーラー内で暮らしているわけではなく、出張先の近隣シェルターなどと提携してそこの猫たちをトレーナー内でお披露目し、里親探しをするシステムになっています。様々なイベントに参加することで保護猫に対する認知度を広めることにもつながっているようです。

キャット・カフェ・ラウンジの猫たち(写真は公式ホームページから)
キャット・カフェ・ラウンジの猫たち(写真は公式ホームページから)

ウエストLAにある「キャット・カフェ・ラウンジ」には常時30匹の保護猫たちがいて、猫との触れ合いの他にも「キャットヨガ」と題したヨガ教室も開催されています。猫たちが自由に室内を動き回る中でヨガマットを引いてヨガをするというものですが、猫たちはお構いなしにヨガをする人たちの間を走り回り、時にはじゃれてきたりするのが猫好きにはたまらないようです。中には途中からヨガそっちのけで猫と遊んでしまう参加者もいるほど。もちろん新たに猫を家族に迎えようと思っている人だけでなく、単純に猫と触れ合いたいという人も気軽に利用することができるLAの猫カフェですが、多くの人に癒やしを与えると同時に猫たちの幸せにもつながる素敵な空間となっています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」)