怪しげな店に見えますが、健全なドーナツ店です
怪しげな店に見えますが、健全なドーナツ店です

今年もあと数日でハロウィンということで、ハロウィンにぴったりなちょっとおどろおどろしいユニークなドーナッツで有名な「ブードゥー・ドーナツ」に行ってきました。店名からして怪しげですが、ブードゥーとはもちろんあの西アフリカやカリブ諸国のハイチ、アメリカ南部のニューオリンズなどで信仰されているブードゥー教のことです。名前だけ聞くと怪しいドーナツ店では? と思われてしまうかもしれませんが、オレゴン州ポートランド発のブードゥー・ドーナツは行列ができるほどの人気店なんです。看板の下には、「Good Things Come In Pink Box(ピンクボックスの中には良いことが起こる)」と書いてあるように、ドーナツを食べるとブードゥーによっておまじないがかけられて良いことがやって来るという意味もあるようです。

遠くからでも目を引くブードゥー・ドールがお出迎えしてくれます
遠くからでも目を引くブードゥー・ドールがお出迎えしてくれます
店内は平日の夜でもこの混みよう
店内は平日の夜でもこの混みよう

友人だった2人の男性がポートランドで2003年に創業したブードゥー・ドーナツは、現在はオレゴン州以外にもいくつか店舗を出していますが、ここロサンゼルス(LA)ではユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに隣接するシティウォーク内に唯一の店舗があります。ショッキングピンクの外観と奇抜な看板、そして巨大なブードゥー・ドールは遠くからでも人目を引きます。月曜日の夜という時間帯ながら数十人の行列ができていて、店の外もドーナツを食べ歩きする人や持ち帰る人でごった返しています。昨今グルメドーナツがブームのLAでは、様々な美味しいドーナツが食べられますが、なぜこのヘンテコな名前のお店がそんなに人気なのかというと、遊び心いっぱいのユニークで奇抜なドーナツはここでしか食べられないから。とにかく種類が豊富で、どれも奇抜でカラフルなのでメニュー選びに迷ってしまいます。それに加えて、店内には木製の棺桶型ドーナツケース(これに実際にドーナツを詰めて持ち帰れます)やガイコツ、ロウソクなど怪しいディスプレイもたくさんあって、待っている間もちょっとしたアミューズメントパーク的な楽しみがあることも人気の要因です。

この棺桶いっぱいにドーナツを詰めたものも購入できます
この棺桶いっぱいにドーナツを詰めたものも購入できます
くるくる回るディスプレーにはたくさんの種類のドーナツが並んでいます
くるくる回るディスプレーにはたくさんの種類のドーナツが並んでいます
写真入りのメニューから選んで注文します
写真入りのメニューから選んで注文します
一番人気のブードゥー・ドールは、見た目のインパクトは最高です
一番人気のブードゥー・ドールは、見た目のインパクトは最高です
真ん中の穴の部分になんとキャンディーが埋め込まれたドーナツも
真ん中の穴の部分になんとキャンディーが埋め込まれたドーナツも

季節限定なども合わせると100種類以上の種類があるといわれるブードゥー・ドーナツでは、レジの横に大きなディスプレーケースがあり、ドーナツのサンプルが並べられたケースがくるくると回っています。レジには写真入りのメニューもありますが、そのメニューも棺桶型をしていてユニーク。M&Mがたっぷりトッピングされたドーナツやピンクやブルーのドーナツなど見た目もカラフルで奇抜なものがたくさんありますが、アメリカらしく乳製品を一切使っていないビーガン(完全菜食主義)向けのドーナツも多数用意されています。しかし、なんと言ってもここの一番人気は、お店の外にもディスプレイされている店名を冠にした「ブードゥー・ドール」です。ブードゥー・ドールすなわちブードゥー人形は、もともとは呪いの人形として使われてきましたが、最近では身代わり人形や願いを叶えてくれる人形としても親しまれています。そんなブードゥー・ドールは、チョコレートでコーティングされたドーナツの中に自家製のラズベリージャムが入っていて、スマホよりも少し大きくて食べごたえがあります。1つ1つ表情が違う顔も描かれているだけでなく、手には針の代わりにプレッツェルが刺さっていて、見た目のインパクトは大です。見た目の怪しさと奇抜なインテリアは一見するとドーナツ店とは思えませんが、揚げたてのドーナツはもちもちでとても美味しいので甘い物好きな方にはおすすめです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)