早いものでクリスマスまで3カ月となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今年のホリデーシーズンはいつもとは異なる過ごし方が求められそうです。アメリカはこれから年末にかけて、10月末のハロウィン、11月末の感謝祭、そしてクリスマスと毎月イベントが続きます。しかし、依然として新型コロナウイルスの感染拡大が終息する気配のないここロサンゼルス(LA)では、早々に公衆衛生局が仮装した子供たちが「お菓子をくれないといたずらするぞ」と言いながら近隣の家を回ってお菓子をもらう「トリック・オア・トリート」を今年は禁止すると発表。またイベントの開催も禁止されているため、今年はウエストハリウッドで毎年行われる恒例の全米最大規模の仮装パレードやテーマパークでのハロウィンイベント、お化け屋敷なども全て中止されることも決まっています。そんな中、次に注目されるのが感謝祭の4連休からクリスマスまで続くホリデーシーズンがどうなるのかということです。

クリスマス商戦の幕開けとなるブラックフライデーは今年は中止になる可能性が大です
クリスマス商戦の幕開けとなるブラックフライデーは今年は中止になる可能性が大です

感謝祭の翌日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれる一大セールの日で、この日からクリスマス商戦が本格的にスタートすることで知られています。毎年、数日前から目玉商品を求める人たちが大型量販店に行列を作り、多くの小売店が深夜から店を開けて翌日の夜までノンストップ営業を続けるのが恒例となっています。しかし、ソーシャルディスタンスが求められる現在、小売店は入店者数の制限を行っており、実質的に大勢の人が殺到するブラックフライデーの開催は不可能。すでにブラックフライデーを行わいないと宣言している企業もあり、今年はオンラインによるセールが主になると見られています。

小売店にとってコロナ禍の今年は特に厳しいクリスマス商戦となりそうです
小売店にとってコロナ禍の今年は特に厳しいクリスマス商戦となりそうです

NBCテレビによると今年のホリデーシーズンの買い物は100%オンラインにすると考えている人が47%にも及ぶそうで、国民の半数がクリスマスショッピングには出かけないことをすでに決めているようです。そのためオンラインセールにより比重を置く企業が増えており、大手量販店ウォルマートは子供たちに人気の玩具をオンラインで実際に試して遊べるバーチャルサイトを開設。箱を開けて中身を見て、実際に遊ぶこともできるので、実店舗に足を運ばなくても商品の魅力を知ることができる新たなツールとして注目を集めています。パンデミック前はオンラインでの玩具の売り上げは25~30%程度でしたが、パンデミック後のピーク時は50%にまで伸びており、今年のクリスマスは例年よりもかなりの需要が見込まれるため、ウォルマートやアマゾンはすでにクリスマスに向けて商品の梱包や発送を行う臨時職員を大量雇用しています。

LAでは屋外ショッピングモールは営業を再開していますが、屋内モールは依然として閉鎖されたままで本格的なクリスマス商戦を前に厳しい現実に直面しています
LAでは屋外ショッピングモールは営業を再開していますが、屋内モールは依然として閉鎖されたままで本格的なクリスマス商戦を前に厳しい現実に直面しています

とはいえ、アメリカでは家族や友人、同僚ら普段から付き合いのある人たちにクリスマスプレゼントを贈る習慣があり、実際に商品を見て買い物したいと考える人も少なくありません。そこでオンラインショッピングと共に今年のトレンドとなりそうなのが、混雑を避けて安全にゆっくり買い物をするために例年よりも早い時期にクリスマスの買い物を済ませる「アーリーショッピング」だといいます。特に秋から冬にかけて第2波の到来で再びロックダウンになる可能性も指摘される中、早めにクリスマスの買い物を終えておこうと考える人が増えており、今年は前倒しで10月にはクリスマス商戦が本格スタートするといわれています。パンデミックの影響による営業自粛などもあり、売り上げが激減している小売業界にとって今年は例年よりも長い期間セールを行うことで売り上げを伸ばしたいという狙いもあるようです。

コロナ禍で迎える今年のクリスマスは、イルミネーションはみられるのでしょうか?
コロナ禍で迎える今年のクリスマスは、イルミネーションはみられるのでしょうか?

例年なら感謝祭の週末ごろからショッピングモールに大きなクリスマスツリーがお目見えし、街中が華やかなイルミネーションに彩られますが、今年はひょっとすると10月からクリスマスムードが漂うことになるかもしれません。新型コロナウイルスの感染拡大だけでなく暴動に山火事と色々なことがありすぎた2020年が一刻も早く終わって欲しいと願う人たちにとっては、街中がクリスマスムード一色になることは「今年にさよならが言える!」と喜ぶべき出来事なのかもしれません。コロナ禍で初めて迎えるニューノーマルなクリスマスは、家族と自宅で静かに過ごす本来の姿に戻ることになるかもしれせん。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)