まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」が世界的に問題となっていますが、ここカリフォルニア州では今年1月から食品業者に対して食品ロス削減の取り組みを義務付ける法律が執行されました。これによって、スーパーマーケットなど小売業者はこれまで廃棄していた食べることが可能な余剰食品を、低所得者やホームレスらを支援する団体など食品ロス削減に取り組む慈善団体に寄付しなければならず、違反すると罰金を科せられることになります。
カリフォルニア州では毎年およそ50億キロもの食品が埋め立て処理されている一方で、まだ十分食べられる新鮮な食品も多く廃棄されていることから、2025年までに廃棄されて埋め立てられる食品の20%を生活困窮者の救済に当てることを目標に掲げています。2024年からはホテルやレストラン、病院、学校、大型イベント会場などでも義務化が始まり、安全に食べられる廃棄物をフードバンクや炊き出し、その他の食品回収組織やサービスに送り、食べ物を必要としている人たちの手に届ける取り組みを拡大させる方針です。
そうした取り組みは持続可能な社会の実現には欠かせないものですが、それと同時に生ごみを減らすことで埋め立て地から発生するメタンガスを削減することができ、気候変動の影響による山火事や干ばつへの対策につながることも期待されています。
カリフォルニア州では食品ロスだけでなく、家庭から出る生ごみの削減への取り組みも始まっています。2025年までに州全体の生ごみを、2014年の2300万トンから57万トンまで75%削減することを目標に掲げており、その一環として住民にも家庭ごみと生ごみの分別を義務づけることが盛り込まれています。回収した生ごみは堆肥やバイオガスにリサイクルされ、温室効果ガス削減につなげたい狙いがあります。
地域によって差はありますが、アメリカのゴミの分別はとてもゆるく、筆者が暮らすロサンゼルス(LA)の地域ではプラスチックや缶、ガラス瓶、段ボールや紙などのリサイクルごみと、それ以外の一般ごみの2種類に分けるだけでよく、それも厳格に守っている人は少ないのが現状です。しかし、新たな法律では食品業者だけでなく一般家庭でも生ごみはコンポストに入れて堆肥化しなければならず、LAでもようやく一部地域でコンポスト容器の配布が始まったことがニュースになっています。一方で、人口が多いLAでは回収した膨大な生ごみを処理する能力を構築する必要があり、高騰が予想される回収費用なども含めて問題も山積みのようです。
身近なところでは、筆者も利用するファーマーズマーケットでは閉店近くなると売れ残った野菜や果物を回収して回る人たちを見かけることがあったり、売れ残りそうな料理を割引価格で買えたり、レストランや食料品店が廃棄する食品を詰め合わせた「ミステリーバッグ」を半額で購入できるアプリが開発され、サービスが始まるなど、様々な取り組みも始まっています。
気候変動と食品ロスは現代社会に暮らす人たちにとっては避けて通れない問題で、こうした取り組みは今後どんどん広がっていくことでしょう。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)




