サンフランシスコ(SF)から車で南に2時間、ロサンゼルス(LA)からは5時間の海沿いにある通称カーメルと呼ばれるカーメル・バイ・ザ・シーは、人口4000人ほどのモントレー半島に面する小さな街です。ブラッド・ピットが最近、この地の断崖絶壁に建つ邸宅を購入してLAから引っ越すと伝えられたことで名前を耳にした人もいたことと思います。

おとぎ話に出てきそうな建物が並ぶ街並み
おとぎ話に出てきそうな建物が並ぶ街並み

ピットが購入したのは、1918年頃に建てられた歴史ある邸宅だと伝えられていますが、カーメルはハリウッドスターゆかりの地でもあります。80年代にクリント・イーストウッドが市長を務めていたことで知られ、ミッション・ランチというホテルとレストランも所有しています。

どこを切り取っても絵になります
どこを切り取っても絵になります

ミッション・ランチは1800年代から続く酪農場だった土地で、開発業者によって土地開発されるのを防ぐためにイーストウッドが1986年に買い取り、ホテルとして保存したものです。そのため、雄大な牧草地を眺めながらレストランで食事を楽しみ、広大な敷地内に点在する10棟の建物に宿泊する体験ができます。

そんなカーメルですが、この街には信号機がありません。人と車が譲り合ってのんびり過ごす空気が流れており、同じ海岸沿いの街でもLA近郊のリゾート地サンタバーバラや昔は港町だったお隣のモントレーともまったく異なる雰囲気で、小さな街ながら世界中から多くの観光客が訪れています。

歩いて回れる中心部にはたくさんのレストランやカフェ、ショップがあります
歩いて回れる中心部にはたくさんのレストランやカフェ、ショップがあります

ピットも彫刻や建築に造詣が深いことで知られ、芸術家デビューも果たしていますが、カーメルは芸術家の街でもあり、アートギャラリーもたくさんあります。ネオンや派手な看板、チェーンのファストフード店もない美しい景観、自然、夕日がきれいに臨める白浜のカーメルビーチと、どこを切り取っても絵になる美しさが芸術家を惹きつけるのでしょう。

おとぎ話に出てきそうなユニークな建物も多く、グリム童話から飛び出たような20年代に建てられた「カーメル建築」と呼ばれる建物が今も20軒ほど残っています。その一つが、「タック・ボックス」と呼ばれるカフェで、ここでいただく手作りスコーンとジャムはとても美味と評判。朝食からアフタヌーンティーまでの短い営業ながらいつも賑わっています。

カーメルビーチの美しさはずっとここに住みたいと思わせてくれるものがあります
カーメルビーチの美しさはずっとここに住みたいと思わせてくれるものがあります

中心部はふらりと散策するのにちょうどよい広さで、3時間もあれば街歩きを楽しむことができます。自然豊かな土地柄、食の宝庫でもあり、近郊にはワイナリーもあるため、おいしいワインと食事を楽しめるのも魅力の一つです。

少し足を延ばせばPGAツアーの会場としても知られる、ゴルフ好きなら1度はプレイしてみたい全米トップクラスのゴルフコース「ペブルビーチ」もあり、海沿いのゴルフコースを見晴らすこともできる、モントレーとカーメルをつなぐ全長17マイル(約27.35キロ)の景観が美しいドライブコースも有名です。SFから少し足を延ばせた訪れることができ、LAからも海岸線のドライブを楽しみながらロードトリップするには最高のロケーションです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)