トム・クルーズが、27日に放送された米CBSテレビのトーク番組「ザ・レイト・レイト・ショー」の特別企画で、ロサンゼルス(LA)のパンテージ・シアターで上演された人気ミュージカル「ライオン・キング」にサプライズ出演し、世界的に有名な劇中歌「ハクナ・マタタ」を熱唱したことが話題になっています。

ミュージカルというと、本場ニューヨークのブロードウェーが有名ですが、実はここLAでも鑑賞することができます。パンテージ・シアターは、ハリウッドの中心部から徒歩圏内にある1930年にオープンした歴史ある劇場で、年間を通じてさまざまなミュージカルが上演されています。

司会のジェームズ・コーデンと共に「ライオン・キング」にイノシシのプンバァ役で出演したクルーズのニュースを報じる米NBCの番組Todayのツイート
司会のジェームズ・コーデンと共に「ライオン・キング」にイノシシのプンバァ役で出演したクルーズのニュースを報じる米NBCの番組Todayのツイート

ディズニーのアニメ「ライオン・キング」を基にしたミュージカルは、パンテージ・シアターでこれまで何度も上演されている人気作品ですが、クルーズの出演は事前発表されておらず、大物のゲスト登場に偶然居合わせた観客は大興奮だったようで、SNSにもたくさんの動画が公開されています。「ライオン・キング」の公演はすでに終了していますが、5月9日からは16世紀の英国王ヘンリー8世の6人の妻たちが現代に蘇ってガールズバンドを組むというコメディ・ミュージカル「シックス」が上演されます。

LAのランドマークとして知られるパンテージ・シアターは、ギリシャ移民で映画俳優だったアレキサンダー・パンテージが自身の名前を冠にして建てたアールデコ様式の美しい建築が特徴で、豪華な内装は一見の価値があります。49年に実業家で飛行家、映画製作者としても知られるハワード・ヒューズ氏に売却され、翌50年から59年にかけてはアカデミー賞の授賞式会場にもなっています。

67年に現在のオーナーに売却されて以降、70年代は映画館として使用されてきましたが、77年にブロードウェーミュージカル「バブリング・ブラウンシュガー」を上演して舞台の劇場として再オープン。その後、大規模改修工事でオープン当初の重厚な装いを取り戻すことを条件にウォルト・ディズニー・カンパニーがLAでの「ライオン・キング」の上演劇場としてパンテージを選んだとされています。最近ではコロナ禍で劇場が閉鎖された際にロビーやシャンデリアの修復が行われ、30年代の豪華な雰囲気を再び取り戻しています。

ハリウッド大通り沿いにあるパンテージ・シアター
ハリウッド大通り沿いにあるパンテージ・シアター

ちなみにヒューズ氏は、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「アビエーター」(04年)でも描かれている伝説の大富豪で、経営危機に陥っていた映画会社RKOを買収して映画制作をしていたことで知られます。劇場を所有していた際には2階を事務所にしており、今もヒューズ氏の幽霊が出るという話がまことしやかに語り継がれています。

映画の都ハリウッドで観るミュージカルは、観客の盛り上がり方など本場ブロードウェーとは雰囲気が違うとも言われているので、歴史あるLAの劇場でミュージカルを鑑賞してみるのも楽しいかもしれません。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)