アメリカでは毎年、11月の第4木曜日が「サンクスギビング・デー」と呼ばれる感謝祭で、クリスマス、新年と続くホリデーシーズンの始まりとなります。今年は23日が感謝祭でしたが、その名前の通り、収穫の恵みに感謝する日であり、家族や親族らが集って七面鳥の丸焼きを食べながら日々の恵みに感謝するのが習わしです。日本でいうとお正月のような位置付けで、この日は多くの小売店や飲食店がお休みとなり、実家に帰省したり、家で家族や友人らと食事をしながら団らんするのが一般的な過ごし方です。
一方、家がなかったり、生活に困窮している人たちに手を差し伸べるのも感謝祭の習わしの一つで、この季節になるとスーパーマーケットなどではホームレスに食事を配給するための寄付を募っていたり、食料品の寄付を受け付ける団体などもあります。感謝祭に合わせて七面鳥やマッシュポテト、パンプキンパイなど伝統的な感謝祭の料理をホームレスらに配る炊き出しも各地で行われています。
インフレやパンデミックの影響でホームレスが急増しているここロサンゼルス(LA)でも、感謝祭前夜にダウンタウンにある「スキッドロウ」と呼ばれるホームレスが多く暮らす貧困エリアで恒例の炊き出しが行われ、多くのハリウッドセレブがボランティアとして参加しました。
路上生活者と貧困の連鎖を断ち切ることを目的に活動する慈善団体「LAミッション」が主催する貧困者のための感謝祭のディナーには、マライア・キャリーの元夫で俳優のニック・キャノンや「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」(99年)のボンドガール役などで知られるデニス・リチャーズ、映画「マチェーテ」シリーズなどで知られる名悪役のダニー・トレホらの姿がありました。オンランメディアのTMZによると、今年は約1360キロの七面鳥、317キロのマッシュポテト、362キロのグリーンビーンズにパイ600個が提供されたそうです。
また、モデルでテレビパーソナリティーのクリッシー・テイゲンと歌手ジョン・レジェンド夫妻は、感謝祭を前に2人の子どもを連れて、病気の子どもたちの家族に支援と住居を提供する団体を支援するため、LAにある公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズを訪問。小児病院で治療を受ける子どもたちの家族のために料理を作り、一緒の時間を過ごしたとピープル誌が伝えています。
レジェンドは、「私たちは子どもたちに“自分たちが与えてもらったモノにお返しし、他の人を助けることが大切”だと教えるようにしている」と話し、自分たちの持っているモノに感謝することを学ぶため、ホームレスの避難所にも一緒に行って食事を配る手伝いをしたことも明かしています。
サンクスギビングの週末が明けた後の火曜日には、2012年に「誰かのために行動する日」として誕生したムーブメント「ギビングチューズデー」がやってきます。感謝の気持ちを寄付という形で示したり、隣人や困っている人を助けたり、誰かを笑顔にしたり、寛大な行動で誰かに何かを与える日としてニューヨークの慈善団体と国連基金が始めたもので、今では世界各地に広がっています。
これからクリスマスに向けて、貧困家庭の子どもたちにクリスマスプレゼントを届ける活動も各地で行われており、様々な慈善団体や教会などでおもちゃの寄付を受け付けています。ホリデーシーズンは、ボランティアや寄付など自分たちにできる身近なことで社会にお返しをする機会でもあり、格差や貧困問題などを考えるきっかけにもなっています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)



