ラスベガスのストリップ地区で67年間にわたって老舗カジノホテルとして君臨してきたトロピカーナが、今年4月に営業を終了して半年。ついに今月9日未明に爆破解体され、その歴史に幕を閉じました。跡地は、大リーグのオークランド・アスレチックスのラスベガスでの本拠地となります。

華やかな花火と共に爆破解体されたトロピカーナ(NBCニュースより)
華やかな花火と共に爆破解体されたトロピカーナ(NBCニュースより)

南国の楽園をテーマに1957年に開業したトロピカーナは、50年代のストリップ地区の大型テーマホテルの建設ラッシュの一つとして一時代を築いたことで知られ、71年には俳優ショーン・コネリー主演の映画「007 ダイヤモンドは永遠に」の舞台にもなりました。50年代に建てられた8つのホテルの中では唯一最後まで残っていたトロピカーナが解体されたことで、70年代以前の老舗カジノホテルで解体されず、リブランディングもされずに今も残っているのは46年にオープンしたフラミンゴ・ラスベガスと1966年開業のシーザーズ・パレス、68年開業のサーカスサーカスの3つだけになりました。

90年代に入るとテーマパーク型巨大ホテルが次々にでき、2000年代に入ると大人向け高級ホテルがお目見えするなど劇的な進化を続けるラスベガスで、良くも悪くもギャンブルの街ラスベガスを象徴する存在だったトロピカーナ。解体に際し、昔を知る人たちからは名残を惜しむ声が多数寄せられています。

2028年にオークランドからラスベガスに移転予定のアスレチックスの新球場予想イメージ
2028年にオークランドからラスベガスに移転予定のアスレチックスの新球場予想イメージ

解体後の土地には、カリフォルニア州オークランドから28年に移転することが決まったアスレチックスの本拠地となるスタジアムが建設されます。当初は総工費約15億ドルで、3万3000人の観客を収容できるボールパークが建設されると伝えられていました。しかし、新たな計画ではスタジアムの横に高さ150メートルのホテルタワー3棟も造られ、計3005室の客室を提供するカジノリゾートの建設も申請されていると地元メディアが報じています。

当初発表された新球場のビジュアルデザイン(NBCニュースより)
当初発表された新球場のビジュアルデザイン(NBCニュースより)

ホテル内のカジノには、スロットマシン1500台、75のテーブルゲームやポーカールーム、あらゆるスポーツに賭けることができるスポーツブックも完備される計画だといいます。また、敷地内にはレストランやショップなどの建設も予定されているようです。

球場と新たなホテルの建設により、周囲の景観は一変しそうですが、ホテルのオープン予定日などは現時点で決まっていないようです。球場の周辺には、MGMグランドやニューヨーク・ニューヨーク、ルクソール、プラネットハリウッド、パークMGMなど複数の大型カジノホテルがあり、距離的に徒歩で球場に行くことが可能なため、スポーツ観戦も楽しめる街へと変わって行きそうです。

地元メディアが報じた新たな完成予想イメージ
地元メディアが報じた新たな完成予想イメージ

スポーツ賭博が合法なラスベガスが、プロスポーツ球団を保持するのは難しいとされたのは過去の話で、アイスホッケーのNHLが17-18シーズンに誕生して以降、プロスポーツの誘致に力を入れてきました。20年にはNFLのレイダースがオークランドからラスベガスに移転しており、ついに大リーグもやってきます。4大プロスポーツで残るはNBAだけとなり、ギャンブルの街からエンターテイメントの街、そしてスポーツも加わることで、さらに進化してエンターテインメントとスポーツが融合したまったく新しい街へと様変わりしてきそうです。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)