さあ、夏のタチウオだ! 東京湾4地区、川崎「つり幸」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」合同で「日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」タチウオ釣り大会を今月30日に実施する。このままであれば、超浅場での勝負になりそう。エサ釣りとルアー・フィッシングでの対策を考えてみた。また、駿河湾の田子の浦「海渡」では涼しい夜釣りも始まった。

 タチウオのポイントは、富津沖が中心となっている。地図でみると東京湾にカジキマグロのツノのような富津岬の北側、水深15~20メートルの超浅場で釣れている。

 つまり、浅い場所なので、軽い道具で釣りができる。腕が疲れない。「なんだ、じゃ、簡単じゃないか」とそんな単純なものでもない。東京湾のタチウオ釣りは時間との闘いでもある。

 開始から午前9時半ぐらいまでは、誰でも釣れる。エサもルアーも仕掛けを落とした分だけ反応を楽しめる。ただし、タナ(魚の泳層)はやや上だ。海面から5メートルでの反応がいい。底にオモリやメタルジグが着いてしまうと、タチウオが警戒して散ってしまう傾向があるため、着底させずに巻き上げてくる。

 エサ釣りの場合は、オモリ30号の片天ビンで、ハリス5~6号を2メートル以内で、タチウオバリ「1/0」を結ぶだけ。つなぎ目をチューブで補強する場合は動きがぎこちなくなるため、なるべく短めにするか、チューブをつけない。

 ルアーなら、メタルジグ80~100グラムを大きくシャクらずに「タダ巻き」に近いリーリングを心掛けたい。巻くスピードは、その日によって傾向が違う。いろいろ試してもらいたい。

 「夏のタチウオに興味がある」と海洋環境専門家で日本テレビ「ザ!鉄腕!ダッシュ!!」でTOKIOと「ダッシュ海岸」をつくっている木村尚(たかし)さんに久里浜「大正丸」に乗ってもらった。前半は、海面から10メートルまで落として、そこからゆっくりと小刻みに巻き上げて順調に5匹をゲット。やはり、午前9時でピタリと勢いが止まった。

 鈴木喜忠船長から「海面近くでは、ちょっと仕掛けを止めて、タチウオに食わせるスキを与える。そこでバクン。だけど、慌てて合わせないで、サオのしなりで食い込ませる」との忠告。その後、木村さんは2匹を海面近くで追釣し「本当に海面まで追いかけてくる。深海の魚と思っていたタチウオなので興味深い」などとうなった。

 新安浦「長谷川丸」には声優でプロレスラー清水愛が乗った。タチウオ初挑戦で、90センチ級の大物を釣り上げた。途中、波の調子が合わずにダウン。1匹で終了した。「でも、引きはスゴいです。今度は体調を整えていっぱい釣りまーす」と清水は元気に答えた。

 川崎「つり幸」と八景「太田屋」にはルアーマンがほとんどで、やはりヒットの減少する後半の対策が重要になってくる。

 常連客などからの話を総合すると、ちょい投げにして海面から5~7メートルの層をゆっくりとメタルジグを通してみる。「真下に落とす縦方向よりも、広く探れるちょい投げの横方向の方がヒットの可能性が高くなる」と常連さん。

 30日には大会もある。事前に「浅いタチ」の釣り味を実感してください。