とうとう優勝できた。「2017日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」船釣りブロックの金谷カワハギ大会(参加89人)が9日、千葉・金谷「光進丸」で実施された。カワハギ釣り攻略のDVDや各所大会での優勝もしてきた「カワハギの帝王」こと宮沢幸則さん(51=東京・東久留米市)が58匹を釣り上げ、待ちに待った初制覇をたぐり寄せた。

 釣具店にいくと必ず「宮沢幸則」の名前がある。釣り具メーカー「グローブライド(ダイワ精工)」の社員でありながら、釣り雑誌でも連載を持つ腕の立つ釣り師としても、その名をとどろかせている。特にカワハギ釣りでは宮沢ファンも多く「カワハギの帝王」として人気を博している。

 その宮沢さんにとって「日刊のタイトルだけは本当に縁がなくて、どうしてもフナイチになれない。優勝が遠い」と毎年悔しい思いをしていた。

 フナイチとは乗った船で1位になること。今大会は各船のトップが順位を競う「横取り方式」を採用している。「いつも船割りで、すごい人と一緒になるから、トップになれなかった。日刊さんの大会で勝つことが夢だったんです」と宮沢さんはニッコリと笑顔で答えた。

 1号船に乗った宮沢さんは左舷の後方から2番目の釣り座だった。優勝釣果は、ぶっち切りの58匹だが、スタートはちょっと苦戦した。町田崇船長は「1匹釣るまでいろんなことを試して、なかなか釣れなかった。でも、1匹釣れてからはもう連発、連発。序盤でその日のパターンというか釣れる状態を探るんですかね。素晴らしいです」と感心した。

 宮沢さんは、何をしたのか?

 宮沢さん いろいろやって、魚は船の下にいるんだろうな、ということが分かった。どうしてもちょんと投げたくなる。何が有効なのかをつかめば、あとは実行あるのみ。ちょい投げへの衝動を抑え込めたのが勝因です。

 宮沢さんには勝ちたい理由がもうひとつあった。大会前日の8日は、結婚記念日だった。しかも、アニバーサリーの15周年だった。

 宮沢さん いつも釣りばかりでかみさんには迷惑をかけている。副賞に米とカニ缶があるから喜んでもらえるね。

 参加者全員からは「結婚記念日、おめでとう」との大きなコールも飛んできた。

 宮沢さん この大会は規模も大きいけど、ほんわかして楽しいですね。私も参加して7年。ようやく優勝できたけど、ベテランも初心者も同じ目線で参加できるのが素晴らしい。光進丸を始め、金谷港のスゴ腕の船長さんたちが「釣らせてやろう」という気持ちが伝わってくるのがいい。来年も連覇できるように頑張りますよ。

 最後は集合写真にみんなおさまった。金谷沖のカワハギ、これからまだまだ楽しめそうだ。【寺沢卓】