ワカサギの総重量で競う「諏訪湖ファミリー大会」が10月27日、長野・諏訪湖レジャーセンターを本部にして実施された。42人が参加した。1キロ超が8人、最大で13・6センチが記録され「大型がたくさんいる」という今季の諏訪湖を示す結果となった。スタートした午前7時には冷たい雨が降っていたが、競技が終了して参加者全員でバーベキューを楽しんだ午後は、気持ちのいい青空が広がっていた。

鉄板から立ち上る煙の中、笑い声が飛び交った。「なんか今年のワカサギ、大きかったね」「ドーム船でもけっこう当たりましたよ」「こんなに釣れたのは初めてかもしんない」と焼き肉やウインナー、焼きそばをほお張りながら、プルルンと手元に伝わるアタリ談議に花が咲いた。

ワカサギ大会の競技終了後、毎年恒例のバーベキューだ。入漁料、ボート及びドーム船代、貸しザオ、バーベキュー、そして参加賞の保冷バッグも全部込みで3800円。「もうね、毎年、ワカサギ釣りが好きな人にも会えるし、バーベキューもおいしいし、楽しいからね」と常連の永塚いさ子さんはニコニコだ。

当初予定していた9月30日が台風で延期され、先月27日の開催となった。順延された当日朝も冷たい雨。ただし、風がほとんどなく、未明には湖面をたたきつける豪雨だったのが、しとしと雨に変わっていた。

ドーム船内でサオを出していたグループは「雨はまったく気にならなかったです」「ドームの下にワカサギがいるのかなぁ。ぽつりぽつりと間断なくアタリはあって面白い」「ドーム船、快適でいいですね」などと口をそろえた。

雨は午前10時過ぎにやんで、厚い雲を破って秋らしい青空が顔を出した。ドーム船横にボートをつけてサオを出した「女性の部」を制した佐野あきみさんは、3年連続5度目の優勝となった。「釣れるのは朝からずっと。でも小さかったの。雨があがって、風の向きも変わってから大きいのが釣れてきたのよ。この大会で初めて1キロを超えることができた。うれしいです」と佐野さん。総重量は1240グラム、最長も13・3センチで全体2番目だった。

中学生以下のジュニアの部では、昨年の大会で初めてワカサギ釣りをした小口克仁君が580グラムで優勝した。「昨年はよく分からなかったけど、今年はプルルン、って、アタリがちゃんと分かりました」と喜んだ。総合の部では滝浪さんが3度目の優勝を果たし、最長でも13・6センチを出せた。昨年は8月に実父を亡くし「喪が明けるまでは殺生はしない」と昨年、競技に参加しなかった。「釣りは楽しいね」と短く喜びを語った。

今季の諏訪湖のワカサギは大きい。ほぼ全員が10センチ超を釣ることができた。諏訪湖レジャーセンターの藤森邦明さんは「魚影が濃い。それにデカい。まだまだ楽しめる。みなさん、ゆっくり1泊でもして堪能してください」とアピールした。来年はルールを変えて「5匹の合計全長」勝負とする。収穫の秋、ワカサギ釣りに諏訪湖にどうぞ。【寺沢卓】

▼宿 諏訪湖「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。入漁料は日釣り券1000円(中学生以下無料)。ドーム船は3200円、中学生以下2000円。ボートは手こぎ1日4000円、半日3000円。エンジン付き1日1万円、半日8000円。貸しザオ1本200円、仕掛け付き500円。氷100円、発泡容器300円。