「第10回オーナーカップグレ金勝杯 四国大会」(主催・(株)オーナーばり)が9日、徳島・阿南市の伊島周辺の磯で行われ、95人が参加し、25センチ以上のグレ3匹までの総重量を競った。午前7時から午後1時まで熱戦が繰り広げられ「オンビキ」に渡礁した水主圭三選手(徳島北島町)が、短時間の時合にシモリ周りで33~34センチを3匹(2260グラム)釣り上げ見事、初優勝を飾った。2位は1420グラムで西内優智選手(高知市)、3位には1340グラムの前浦良二選手(徳島市)が入った。

一時の時合を逃さなかった水主選手が、6回目の挑戦で見事、金勝杯を手にした。「尾長グレなら、慎重にやりとりしたが、口太だったので、とにかく数をキープしようと、強引なやり取りをしたのがよかった」と勝因を振り返る。

神崎康輔選手(徳島市)とともに「オンビキ」に渡礁し、船着きに構えた。風が強かったため、沖狙いは断念。G2ウキの仕掛け(ハリ=身軽グレ4号、タナは2ヒロ)をセットし、磯際を攻めるが、釣れるのは餌取りばかり。底付近に潜むグレがなかなか反応しない厳しい状況が続いた。

神崎選手も同様で、午前10時の釣り座交代でも、グレの気配はなく、交代なしで続行。だが、結果的にこの判断が吉と出た。同30分ごろ、沖向きに流れていた潮が、ヨレ気味に右方向へと変わり、足元にサラシができる好気配となった。

グレは潮次第。神崎選手がすぐに本命のアタリをとらえ竿を曲げる姿に「グレが浮いてきた」と直感。ここぞとばかりにサラシの中にまき餌を打ち、磯際からウキをなじませ、50センチほど沈めながら竿1本ほど沖のシモリ周りを攻めていく。

すると、ウキがゆっくりと海中へ。アタリの小ささから、グレの食いが渋いと判断。ハリをのみ込ませる感じでハリ掛かりに持ち込み、34センチの口太グレを仕留めた。その後も、刺し餌をゆっくり落としてグレにアピールすると、次々に同サイズがヒット。時合を逃さぬように強引な取り込みで数を伸ばし、33~34センチを4匹そろえ、午後1時に競技を終了した。短い時合を確実に釣っていく、ベテランらしい釣り方だった。

検量の結果、2位の西内優智選手に840グラム差をつけ、初優勝。表彰式では、いつも一緒に参加している息子さん(光さん=33)と喜びを分かち合い、「これで父親の面目をたもつことができました。自重が軽いハリのおかげです。いただいた金貨(1/2オンス)は妻にプレゼントします」とうれしそうに話した。【中村和嗣】

◆水主圭三(みずし・けいぞう)1957年(昭32)4月7日生まれ、61歳。徳島県在住。自営業。グレ釣り歴26年。ホームグラウンドは宇和島一帯の磯。

2位・西内優智選手 「唐人の東」に渡礁した。足場が高く、風で糸がふけて釣りづらかった。3Bの2段ウキ仕掛け(針は身軽グレ5号)を使い、ゆっくり仕掛けを落としたらグレが食ってきた。

3位・前浦良二選手 「水島胴」にあがった。風が強かったので、3Bのウキ仕掛け(針は身軽グレ4号)でタナ2ヒロを攻め、30前後のグレを3匹食わせた。今日はグレ釣りを楽しめた。