いよいよ、東京湾にノッコミの前兆が出てきたのか? 今シーズンは暖冬だったからなのか、マダイの動きがちょいと早そう。「ノッコミ」とはマダイの産卵活動を示す専門用語で、例年3月中旬ごろのイメージなのだ。富浦「共栄丸」で午前マダイ、そして今月で終了する大人気のアマダイを午後便で出漁してきた。東京湾口、忙しくなりそうだ。
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今年のアマダイは良かった。取材に同行してくれたのは「海のおじさん」こと木村尚(たかし)さん(62)。海中に潜って、海の生物の生態などを探っていて「魚は眺めるもの」だったけど、タコボウズ記者(寺沢です)が4年ほど前から釣りに誘うようになって「道糸を通して海の様子を想像する。いろいろ予測した通りにサオ先でアタリを拾えるか。それと釣った魚のおいしいこと。釣りは奥が深いね」と木村さんも釣りに対する印象が変わってきたという。
その木村さんの3年越しの恋人がアマダイだ。2017年1月から始めたのだが釣れなかった。昨シーズン(17年末~18年早春)も不発だった。そして、3シーズン目。見違えるように釣れている。日刊スポーツの取材以外でも3匹を釣った。今回も写真のアマダイを釣っている。
何が違うのか?
木村さん アマダイは底に埋もれているか、底付近の狭い範囲を回遊している。だとしたら確実に釣れるタナを外さない。船はゆっくり動いている。海底は真っ平らではない。まめに底取りをして、仕掛けを底面から離さないようにするのがコツのような気がしました。
アマダイは午後便なので、午前便のマダイで使用したコマセ用のオキアミをそのまま使った。このマダイが良かった。
富浦「共栄丸」の笹子宏宣船長は「魚はいる。反応があるから。でも、なかなか口を使わない。タナは海面から40~50メートルだから、だんだんと浅場に集まってきている」と話す。
産卵活動のノッコミ本番にはまだ早いが、対岸の剣崎沖では4~5キロを含んで数釣りができている。目と鼻の先、富浦沖のマダイも何かのきっかけでスイッチが入りそうだ。
木村さんは忠実にタナを守ってマダイ3匹を釣り上げた。木村さんは「特に何をしたわけではない。ただ船長の指示をなぞっただけ」と笑う。そう、船長のアドバイスに忠実ならば、ちゃんと釣れるということのようだ。
東京湾のマダイ、もうちょいで点火しそうだ。【寺沢卓】
▼船 富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。午前マダイは集合同5時半、コマセ&氷付きで1万円。午後アマダイは出船同1時30分、マダイの沖あがり同5時で氷付き6000円。アマダイは2月いっぱいで、午後便は3月の様子をみて出漁する。