5月19日、東京湾と駿河湾で開催していたマダイのダービー形式の大会が終了した。3月に開幕して、釣り上げたマダイ3匹で競うルール。期間内なら何度でも参加できて、1匹からの入れ替えができる。優勝は狙えなくても「記録を更新したくなってくる」「順位が上がるのが面白い」と記録を残した参加者は東京湾が78人、駿河湾99人と大盛況だった。それぞれの優勝者にビギナー必聴のマダイ釣りのコツを聞いてみた。

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圧勝だった。「Tokyo Bayマダイダービー」を制したのは、勝山「宝生丸」から出漁した清水威人史(たけとし)さん(46=久喜市)だった。3匹すべてが6キロ超の「トリプル6」での優勝者は駿河湾を含めても初。しかも、総重量18・8キロも過去最重量となった。

開幕5日目の3月20日に6・3キロ、4月3日に6・5キロ、同29日がジャスト6キロと期間内でコンスタントに大物を仕留めていた。

清水さん 首位は居心地が悪い。いつ抜かれるんじゃないかとヒヤヒヤ。それで毎週のごとく勝山に通いました。

3月5日に「宝生丸」は新造船の進水式を挙行した。清水さんも神奈川・三浦市の造船所に船を受け取りにいく手伝いをして、心を新たにした。

清水さん うまくはいえないけど、ダービーで花を添えたいとは思った。気合は入ってましたね。

思う気持ちが強ければ、願いはかなうのかもしれない。富浦~勝山沖ではいまだにマダイの活性が高いが、どうすれば釣れるのか?

清水さん 細かいことはいろいろある。でも、今年の春はフグが多くてハリを切られまくった。結果、出た答えは「つや消しの黒」という色のハリ。フグよけと大きなマダイを寄せる。まずは自分の選んだ仕掛けや道具を信じる。そこからですね。

さあ、マダイの泳ぐ東京湾が待ってますよ。【寺沢卓】

▼マダイダービーとは 春のノッコミシーズンに3匹の重量で勝負するマダイ釣り大会。今年は3月16日から5月19日まで。期間内であれば何度でもチャレンジできて、1匹から入れ替えができる。同重量の場合は最大魚の重い方が上位。優勝した望月さんと清水さんには、クリスタルトロフィーとがまかつ提供の「がま船シーファング・マダイ50号 2.7M」(5万2000円相当)、オリジナルチャンピオンブルゾンが贈られる。西暦1ケタ「9」と同じく下1ケタ「9」の順位が飛び賞となる。

対象の船宿はそれぞれ「駿河湾マダイダービー」は御前崎「博栄丸」、久料「魚磯丸」、戸田「たか丸」、安良里「ふじなみ丸」の4地区。「Tokyo Bayマダイダービー」は久里浜「大正丸」、八景「太田屋」、勝山「宝生丸」、富浦「共栄丸」の4地区。