6月8日にアユ釣りが一般解禁した三重・長瀬太郎生川の長瀬地区(名張川上流)へ同29日に友釣りに出掛けた。2日前の雨で水位が平水よりも10センチほど上がる絶好の条件に恵まれ、野アユが好反応。雨続きの予報で人も少なく、広い範囲を上飛ばしで攻め、朝から夕方までに12~18センチの美形を42匹追わせた。湖産特有の強い引きを堪能した。

強い流れに逆らってシッポを振るオトリに真っ黄色な野アユが次々に襲いかかった。午前8時ごろ、公民館裏のアユの供養塔前に入った。雨続きのせいか、釣り場はほぼ貸し切り状態。石もきれいに磨かれており魚影の濃さがうかがえる。

まずは左岸の流れのたるみを探ってみる。コースを変えながらオトリを泳がせると数分後、目印にコツンと反応がきた。掛かったのは15センチの野アユ。サイズがが小さいので針を6・5から6号の4本錨に交換。

オトリを送り出すとすぐに水中で2匹のアユがもつれ、同型が3連発。元気なオトリを手に入れたところで次は流芯を攻める。流れの絞り込みにオトリを誘導するとガツーンとハリ掛かり。湖産の強い引きを楽しみながら追い星がくっきり出た17センチをタモに収めた。

ここで再び針を6・5号に交換。オトリの鼻先を上流に向けて送り出すと流れの絞り込みに差し掛かった瞬間に当たり。強い流れに逆らって元気よくシッポをふらせることで追わせた狙い通りの1匹だった。これがはまると釣果が伸びる。

その後も、オトリの鼻先を上流へ向け、強い流れに逆らわせてオトリを泳がせると、目印が円を描くように動き、逆バリが外れた瞬間、掛かりアユが突っ走る。そんな理想的な追いもあり、順調に釣果が伸びる。掛かりアユのサイズに合わせて、掛け針をこまめに交換しながら午前中に12~18センチを25匹キープした。

午後からはサイズアップを狙って上流の片ガ瀬へ。ここでも、流れがきつい人頭大の石の間でオトリにシッポを振らせるとギラッと掛かり、野アユが勢いよく対岸へ走る。慎重なやりとりで取り込んだのは18センチのグッドサイズ。その後も同サイズを4匹追加。最後は再びアユの供養塔前に戻り、釣り人の立ち位置など、へちの竿抜けを丁寧に探り12匹追加したところで午後4時前に納竿。人が少なく、上飛ばしでポイントを広く探れたのが良かった。【日刊FPC・井上徳之】

【今後の見通し】今年はアユの成育が少し遅れ気味だが、魚影はすこぶる濃い。アユが成長する盛期に向けて楽しみである。しばらくは針の大きさや本数に気を配りながらの釣りになりそう。場所によって入れ掛かりになるゴールデンタイムに違いがあるので、オトリ店で情報をしっかり聞いてから釣行してほしい。

【問い合わせ】長瀬太郎生川漁協【電話】090・5602・4356。年券9000円、日券3000円。

【交通】名阪国道の上野ICから国道368号へ入り南下。名張市を経て長瀬太郎生川へ。一般道利用は国道165号から名張市で同368号へ入り同川へ。