夏休みを前に東京湾では釣り宿団体による稚魚放流が実施された。10日には、東京都を中心とした「東京湾遊漁船業協同組合」(加盟19軒)がマコガレイ、翌11日には、神奈川県の横浜&川崎「神奈川県釣船業協同組合」(同じ13軒)がヒラメを、それぞれ約1万匹放した。

10日午前、東京湾でマコガレイの稚魚約1万匹が放流された。東京湾遊漁船業協同組合が、山口県下松市の市栽培センターから取り寄せた。

同組合の飯島正宏理事長は「やはり、マコガレイは古くから江戸前の釣り魚種の王様。近年は魚影も薄くなっているが、放流事業の成果なのか少しずつ増えている感触はある。元気に育ってほしい」と放流するために使ったバケツを強く握りしめた。

マコガレイの稚魚放流は2年前に同数で実施していた。このときは、別の県で育てていた稚魚だったが、育てるのが難しい魚でもあり、全国の栽培センターに問い合わせて、下松市にたどりついたという。

放流ポイントは、過去2年はすべて羽田空港沖に1万匹を放していたが、今年は、葛西海浜公園沖の水深3メートル以深の干潟に地形移行する浅場の2カ所でまかれた。放された稚魚は3・4~7センチで、主流は5センチ超だった。

毎年2月には「江戸前釣り大会冬カレイ」のタイトルで、マコガレイを対象とした大会を実施しており、今年も釣り船15隻269人が参加した。今回の葛西沖での放流実施は、今年の大会でマコガレイの捕獲率が高かったことと、産卵場になる可能性のある場所であることが理由となった。

年末のノッコミ期に産卵すれば、年明けには学名「ヨコハマ」のマコガレイ豊漁も夢ではなさそうだ。