初冬を迎えると管理釣り場が恋しくなる。足場が良くて誰でも簡単にアマゴ釣りが楽しめる兵庫・三田、羽束川にある「小柿渓谷放流釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)へ先日、出掛けた。ビギナーのグループや家族連れでにぎわい、ウキや脈釣りできれいなアマゴを河原へ抜き上げるたびに歓喜の声を上げていた。記者も流芯や大石周りに餌を流し2時間ほどで15~20センチを12匹ゲット。山里を流れる川のせせらぎ、色づく山々にいやされながらアマゴの心地良い引きを楽しんだ。

自然が豊かな山里にビギナーの歓声が響いた。「きたきた。どうしたらいいの。ブルブル引っ張ってる」。魚体をくねらせるアマゴの引きに尼崎からやってきた松尾孝子さんが大興奮。「ウキがスーッと沈んだので引っ張ると釣れてました。うれしいです」。ドキドキの初体験に目を輝かせた。

最初は仕掛けの振り込みすらできなかったが、同行の友だちに教わりながら1匹、2匹と釣るたび、めきめきと上達していった。「赤く色づき始めた山々、川のせせらぎが、とても気持ちいいです」。美しい景色、清流のマイナスイオンに癒されながら竿を曲げ、「めっちゃ楽しい」と大はしゃぎ。

1時間もすると、すっかり振り込みもうまくなり、ベテラン向きの脈釣りにもチャレンジ。さすがに底を感じながら流す目印の釣りは無理だろうと思ったが、流芯を器用に流し、1投目から良型をゲット。手にしたのは朱点を散りばめた20センチのべっぴんアマゴだった。

「水面がざわざわしてるところにアマゴが隠れていると思ったんです。目印がキューンと走りました」とにっこり。記者も負けじと軽いオモリで大石の際に餌を流すと4連続で入れ掛かり。すると、その様子を見ていた松尾さんが「そういうところにいるんですね」と仕切り石をぽんぽんと渡り、川の真ん中へ。

釣り荒れしていない対岸からほかの大石周りを上手に探って竿を曲げる。ビギナーとは思えないのみこみの早さ、行動力にびっくり。「やりますねー」とエールを送ると「私、なんでも出来るんです。記者さんは危ないから来ないほうがいいですよー」と言われる始末。

結局、日暮れまで頑張ったが、記者は12匹止まり。松尾さんは15匹もアマゴをゲット。「ここは、のどかな山里って感じがすごくいいですね。これからは紅葉も本格化するので楽しみ。来週もこようかな」と満足そうに川をあとにした。【近江康輔】

【問い合わせ】小柿渓谷放流釣り場【電話】079・569・0693。営業時間午前7時~午後5時。入漁料大人3800円、女性・小学生以下3000円、午後からの半日券同3000円、同2500円。休業は火曜(祝日は営業)と12月30日~1月3日。貸し竿1500円、バーベキューセット(炭2キロ付き)1000円。無料駐車場あり。

【交通】中国自動車道の西宮北、神戸三田ICを出て国道176号、県道37号を北上し、約20分。JR三田駅北口を出たターミナルから小柿行きの神姫バスも出ている。