日刊スポーツ・フィッシングサーキット「関東メジナダービー」予選(3月31日まで)を開催している千葉・太海「新海荘」に、腕自慢の釣り師28人が集結した。9日に行われた、「第27回全日本磯釣連盟東日本支部各会選抜メジナ大会」だ。潮が澄みすぎ、潮温も低下、強風などの悪条件で場所は限られたが、8人が25センチ以上の検量対象魚を確保した。上位の人たちは、どんな釣り方をしたのか? ご参考までに。

底までくっきり見えるほど、海水は澄んでいた。大会当日の潮温は0・5度下がって14・5度。風でサオが振れない場所も出たため、場所も蛸表、蛸裏、雨乞、用水などに限定された。「これほど悪い条件はないよ」。林新治店主(73)も頭を抱えたほどだったが、メジナは釣れた。満潮の午前7時前後から干潮の午後1時前後の下げ時でもある10~11時に、トップ3の獲物は集中した。

33・5センチで優勝した石渡昭二さん(49=千葉県袖ケ浦市)は、雨乞で左(潮上)から右(潮下)に乗せて流し、右側の根の周辺で掛けた。「ふだんは雨乞や小島に乗る。海中の根の様子を見たり、想像したりしながらポイントを絞る」。打ったコマセと仕掛けを同調させる、いつもの必釣法だった。

2位(32・5センチ)の藤本勝久さん(70=埼玉県草加市)は、変化を見逃さなかった。蛸表で強風に苦戦していた。「風向き(北風)と潮の流れが逆で、仕掛けが思うように落とせなかった。風が少しだけ弱くなった時、打ったコマセと仕掛けがうまく同調した」。ここは石渡さんと同じだ。

石渡さんと同じく雨乞に乗って3位(29・3センチ)の吉野光明さん(66=千葉県茂原市)は、あれこれ試していた。「潮が効いておらず、足元狙いは小型ばかり。14~15メートル遠投した。根掛かり覚悟でサオ1本半(約7~8メートル)など沈め、道糸が風で飛ばされないように穂先は海中に入れていた」と振り返る。

条件が悪い時だからこそ、それぞれの引き出しが物を言った。

大会では40センチ級の良型はお目にかかれなかったが、条件さえ良ければ出る。実際、2日雨乞で41センチ、3日平島38センチ、8日同所41センチ、10日小島48センチ、12日平島43センチと良型を記録している。「潮温が15度台で安定し、濁りが入れば条件は好転する」と林店主は予測する。

では、具体的にどんな仕掛けがいいのか? 「全日本磯釣連盟」東日本支部の岡沢誠支部長(72)はこうアドバイスしてくれた。

◆仕掛け 道糸は通常2・5~3号、ハリスは1・5~2号。風が強かったり、食いが渋ければ道糸は2号以下、潮が澄んでいれば、ハリスは細めに。

◆ポイント 太海の沖磯は直下が水深5~15メートルと「ドン深」になっている。大型は原則、足元にいるから基本の狙いはそこ。海の状況によって、潮上から潮下に流したり、遠投するのも選択肢。

大型メジナは待っている。【赤塚辰浩】

◆太海「新海荘」【電話】04・7092・1535。渡船は午前6時40分ごろで、料金は4500円~。