江戸前のシロギス復活-アニキこと俳優哀川翔(58)が、その真実を確かめるべく、山下橋「広島屋」(石井晃船長)から東京湾に乗り出した。アニキ、絶好調で終盤は2本バリ一荷を連発した。なんと釣りも釣ったり59匹だぁ~! そして、今月14日からは「Tokyo Bayマダイダービー」が東京湾に面する神奈川&千葉の4地区でスタートする。初心者でもマダイ、釣れますよ。

みんな知ってるか? 東京湾を代表する魚といえばハゼ、マコガレイ、そしてシロギスなんだ。今じゃ、アジが幅をきかせているけれど、東京湾の顔はキスであることは揺るぎようがない。

オレは、釣りは全部大好きだよ。底にオモリを落としてプルルン、と手元にアタリが伝わってくるキスは特に大好きだね。愛知・三河ではオレの名前の大会があって、対象魚はキスだ。

でもね、この2年ぐらい東京湾では船のキスが不調だった。つい先日、タコボウズ記者(日刊スポーツの釣り担当・寺沢)から「東京湾のキスが大復活しました。次の取材はキスでいきましょう」と、耳元でうるさいぐらいの電話をかけてきた。いちいち大げさなんだが、言葉には力がこもっていた。乗ってみるか、この勝負! 江戸前のキス、楽しみだ。

場所は木更津沖の水深20メートル。平日にもかかわらず、船は20隻ほど。いい雰囲気だ。石井船長がポイントを探している間、たばこをくゆらせる。このちょっと待つ間の一服がうまいんだよね。そうそう、吸い殻はちゃんと携帯灰皿に捨ててくれよ。きれいな海、守っていこうぜ。

最初は1本バリ仕掛けで探ってみる。15号のオモリの胴突き仕掛けだ。軽くトントンと底をたたいてから、オモリを底から離さずに糸だけを緩めて張る。その繰り返しだ。プルルン、おっ、いきなり当たった。回収するとキスはいない。どうやらエサのアオイソメがやや長かった。硬い頭は切断して、ハリに靴下をはかせるようにアオイソメの断面にハリ先を刺していく。垂らしは2センチぐらい。

着底して、またプルルン。今度はかなり力強い。18センチのキスだった。いいね、その後も順調に釣れた。そこで2本バリ仕掛けにチェンジ。たばこに火をつけるんでサオを置いたら当たった。すぐにサオをとれなくて、しばらくすると、またプルルン。なんだ、これ?

リールを巻いて仕掛けをあげると、2匹掛かっていた。ほお、これか…つまり、置きザオにして船の揺れで誘う。1匹ヒットしても慌てずに、しばらく放っておく。最初に掛かった1匹が泳ぎ回るから、残ったハリのアオイソメが踊り出す。これが2匹目への誘いになるみたいだ。釣り方、見つけちゃったよ、イヒヒ。

この置きザオ一荷釣法で最後は2匹を連発した。今のオレの年齢と同じ58匹になって、最後、ちょっと粘って1匹追釣した。今年のオレは59歳になるから、ちょうどいいエンディングだ。江戸前のシロギス、楽しいね。これ、復活でいいんじゃないか?

【構成&写真・寺沢卓】

▼山下橋「広島屋」【電話】090・8874・4624。シロギスの乗合船は午前7時30分出船でエサ付き8500円。広島屋特製仕掛け(2組)は1本バリ250円、2本バリ300円。