落とし込み釣りで青ものやマダイなどが好調に釣れている三重・鳥羽市石鏡沖へ17日、「幸徳丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で出た。朝から雨と波があり、釣りづらかったが、午前11時すぎから怒涛(どとう)の入れ食いタイムに突入。竿頭は75センチのメジロ、55センチのハマチに加え、40~70センチのマダイを3匹に40~45センチのヒラメを3匹も釣り上げた。イワシが掛かったあとに何が食ってくるか分からない、ハラハラドキドキの落とし込み釣りを堪能した。【中村和嗣】

朝イチから波があり、潮の流れが鈍くて苦戦の時間帯が続いたが、そんな不調を吹き飛ばすようにラスト1時間は入れ掛かり。落とし込み釣りはサビキをイワシの群れの中に落としてイワシを掛け、そのイワシを餌に大物を狙う。なのでイワシの群れさえとらえればこっちのもの。イワシを追い回している青ものや、良型のマダイに加え、根魚までが次々に食ってくる。

午前11時すぎ、水深約40メートルのポイントに入ると「20~35メートルにいい感じのベイト反応が出ていますよ。狙ってみて」という寺本周介船長の指示があり、全員が一斉にサビキを投入すると次々にイワシが掛かり、小刻みに竿先が震えだす。

そしてイワシの掛かった仕掛けを底まで落として待つこと数十秒。船尾の広瀬文夫さん(四日市市)と服部芳則さん(亀岡市)の竿がギュイーンと絞り込まれ、プリプリに肥えた55センチの大ハマチを釣り上げた。これを皮切りにあちらこちらで竿が曲がり、大ハマチのほかにも、45センチのヒラメや50センチ級のマダイなどが釣れ、船頭がタモ入れに大忙し。

そんな中、船尾の広瀬さんの竿先が一段と強烈な引き込みでドーンと海中へ。竿の胴がグイグイ絞り込まれる豪快なファイトを見守ること約3分。上がってきたのはこの日一番の大物で80センチのブリだった。「初めて落とし込み釣りに来たのですが、いきなりこんな大物が釣れるなんて。この釣りにはまりそうです」と広瀬さんが興奮気味に話す。

これが、落とし込み釣りのだいご味だ。イワシさえ、鈴なりで掛かれば大物が簡単に釣れてしまう。イワシを追い回しているフィッシュイーターにとって針に掛かったイワシは格好の餌となり、一発で食ってくる。まさにハラハラドキドキの連続で、イワシの群れをとらえたときの落とし込み釣りの爆発力は半端ない。

そして締めくくりは服部さん。三段引きの締め込みに耐え、浮かせた70センチのジャンボマダイを手に「きょうはベイトが掛かれば、ほぼ釣れてますね」とにんまり。興奮冷めやらぬ中、時合が終了した正午すぎに納竿となった。竿頭は入れ掛かりの服部さんで、メジロに大ハマチ、良、大型マダイを3匹に40センチ超のヒラメも3匹ゲット。イワシをたっぷり捕食して脂が乗った高級魚を狙うなら、今がチャンスですよ。

【今後の見通し】落とし込み釣りは例年、9月末までが釣期。餌のイワシが掛かる間は楽しめる。丸々太った大ハマチを中心にマダイ、ヒラメのほか、カンパチやサワラなど、多彩な魚が釣れる。潮の動きがいい日なら数、型ともに期待が持てそうだ。

【問い合わせ】幸徳丸【電話】090・7303・5080。落とし込み乗合船料金1万円(仕掛け、氷付き)、集合時間は午前便が午前5時半、午後便は正午。仕立船もあり。現地には「三幸丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0599・32・5604もある。

【交通】近鉄・鳥羽駅下車、バス、タクシーを利用。車は大阪から名阪国道、伊勢自動車道、伊勢二見鳥羽ラインを経由、鳥羽IC交差点から国道42号へ、鳥羽駅を過ぎて同167号へ入り、安楽島大橋を渡り県道750号から、同128号(パールロード)へ入り、約20分走り、石鏡漁港へ。