ゲーム性が高いマイカ釣りを楽しもうと23日、福井・小浜の西津港から出る乗合船「直幸丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で同沖へ出た。なぎの日が続き、マイカの活性が上がらずテクニカルな釣りだったが、タナを広く探り、ソフトなアプローチを心掛けると2、3連掛けもあり10~35センチを38匹ゲット。33センチのタルイカに加え、納竿間際には58センチのマダイも仕留め、満足のいく釣行だった。これから水温が下がり、波気が出てくるとマイカの活性が高まり、数釣りが期待できる。

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イカ釣りは手強いときのほうが面白い。あの手この手でヒットパターンを探った末に手にした1匹は格別だ。午後7時ごろ、小浜沖の水深90メートルのポイントに入った。すぐに集魚灯がともされ、スタートするがなかなかイカアタリが出ない。

この時期のイカは海が穏やかなためか、やさしく誘いをかけないと、なかなか乗ってくれない。10本針の胴突き仕掛けを底近くからゆっくり引き上げては、竿をスローに上下して誘うと水深80メートル付近で竿先がモゾッとする小アタリがきた。

すかさず、竿をゆっくりと持ち上げ、電動リールのスロー巻き上げで取り込んだのは30センチのマイカだった。その後も明、暗色の浮きスッテをローテーションしながら探っていくとポツリポツリと掛かるが、活性が低く単発ばかり。

それならと小アタリをとらえた後、そのままゆっくりリールを手巻きで引き上げてみた。すると20~30センチがトリプルで針掛かり。やはり渋いときはやさしく誘うことが大事だなと確信。その後も赤白、赤緑の浮きスッテを基本に真ん中にアクセントの黄色、マーブル(黄、赤、茶色)のスッテやエギを織り交ぜ、水深40メートル付近を探っていくと連掛け交じりで数が伸びる。

イカのほかにも、置きザオで冷凍スルメイカを餌にマダイを狙うが、こちらはエソばかり。そんな中、午後11時ごろ、突然竿先がグーンと押さえ込まれ、竿が弓なりに。ドラグを緩めて十分に走らせ、竿のしなりとドラグ調整で慎重に引き上げたのは33センチのタルイカだった。今年はタルイカの回遊が早いようだ。

午前0時ごろにはお待ちかねの減灯タイムを迎えるが、イカが浮くことはなく状況は渋いまま。どうやら、上層にシイラなどのフィッシュイーターがいるようで、イカのタナがころころ変わる。狙ったタナは水深50~80メートル。リールのメカニカルブレーキをきつくしめて仕掛けをゆっくり落とし、引き上げるときもゆっくりを心掛け、反応が出たタナで上下に誘ってアタリを待つ。この繰り返しでなんとか10~35センチを38匹キープした。そして最後にドラマが。午前4時の納竿間際に一か八か、生きのいいマイカをのませ仕掛けに付けて落とすと、ガンガンガンと竿先が引き込まれ、大物が針掛かり。仕留めたのは58センチのマダイ。最後の1投がドラマチックな幕切れとなり、満足したところで沖をあとにした。【日刊FS・田中一仁】

【今後の見通し】しばらくは釣果にムラがある状態が続きそう。強い雨や強風のあとなど、海況が変化したときが狙い目になる。イカの活性にスイッチが入り、連掛けが増えて大釣りが期待できる。9月半ばからはサゴシが増えて仕掛けが切られることが多くなるので、仕掛けをたっぷり持参して挑戦してほしい。サゴシが減る10月半ば以降は徐々にマイカの身が厚くなり、年末にかけてメタボな大型が期待できる。同時に大型のタルイカも釣れだすので楽しみだ。

【問い合わせ】直幸丸【電話】090・3294・4574。オールナイト乗合船料金1万6000円(氷付き)。9月半ばまで女性、子供半額。午後4時半までに集合、そろい次第出船。納竿は夜明け前(季節により変動、予約時確認必要)。

【交通】舞鶴若狭自動車道を利用。小浜ICを出て小浜IC交差点を右折。県道24号を西へ。市役所前の信号を右折、国道162号を北上。西津公民館前交差点を左折し、約500メートルで西津漁港。