秋グレに乾杯! 日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2020 月桂冠杯 和歌山・大引磯グレ釣り大会」が1日、中紀・大引の磯で行われ、97人の参加者がグレの1匹長寸(25センチ以上)を競った。東の風で波もなく、各磯で竿がよく曲がり、45センチのグレを仕留めた深海(ふかみ)哲生さん(和歌山市)が見事、優勝した。最多匹数を競った栄えある「月桂冠賞」は18匹を釣り上げた内匠喜久さん(貝塚市)が選ばれた。他魚も、ジャンボイサギやヤイトガツオ、ハマチなどの青ものに加え、良型チヌなどが数多く上がり、好釣果に恵まれた。【近江康輔】

「合わせが決まった瞬間、グーンとロッドに乗る手応えがたまらない。日頃のストレスが一気に吹き飛びました。2014年の月桂冠杯和歌山・大引磯グレ釣り大会で3位。今回は1つでも上を目指そうと頑張りました。最高にうれしいです」。深海さんが、満面の笑顔で喜びを爆発させた。

上がった磯は一発大物が狙えるビシャゴで、構えたのは船着きの少し白崎寄り。餌は生オキアミを使った。朝からの状況は潮が動くと竿4本沖の潮目でグレが釣れ、止まるとアジの猛攻になる繰り返し。釣り方は心の師匠と仰ぐグレ釣り名人・宮川明氏直伝の2段ウキを使った沈め釣り。

辛抱強く攻めると、納竿間際の午後0時半すぎにドラマが。4ヒロほど仕掛けを深く入れたところで、竿先をコンコンと小さくたたくアタリをキャッチした。「ハエ根に何度も突っ込まれる鋭い引きをなんとかしのぎました」というスリル満点のやりとりの末にタモ入れに成功。無事に取り込んだ瞬間、「このグレなら優勝できると確信しました」と振り返る。

深海さんは大引の磯に通って20数年。磨いてきたのは条件、磯別での最適な釣り方。浅ダナから深ダナまでいろいろな釣法に磨きをかけてきた成果とホームの強みを遺憾なく発揮した。

優勝者に贈られる副賞のお酒「純米大吟醸・鳳麟」を手にすると「きょうは受賞のグレをシャブシャブにして釣り仲間と祝杯をあげます」とにっこり。「大引は船頭さんが親切なのがいい。グレの魚影も濃く、イサギや青ものなど多彩な魚が狙える。グレ釣りは男のロマン。これからも通い続け、いつか55センチのグレを仕留めてみたい」。まだ見ぬ大物にも夢を膨らませた。

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コロナウイルス対策としてマスク、アルコール消毒を徹底して行ったほか、開会式を省き、表彰式も簡素化した。上位入賞者以外の表彰、賞品の寄贈については郵送する形をとることで、ソーシャルディスタンスに配慮した運営を行った。

<主催>日刊スポーツ・日刊銀鱗倶楽部

<特別協賛>月桂冠株式会社

<協賛>がまかつ、マルキユー、オーナーばり、東レ・モノフィラメント、ボナンザ、ハヤブサ、ユニチカ、ミヤマエ、ダン、サンライン、ゴーセン、ヤマワ産業、ゼクー、ルミカ、ハピソン、クレハ合繊、@タックルベリー

<協力>上野渡船、村井渡船