兵庫・明石の林崎漁港から出る小松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で「第14回メバル3匹合計長寸大会」が開幕。記者も参戦しようと昨年末の29日、同船で明石沖へ出た。初日の27日には竿頭で20~31センチを23匹。28・7~31・2センチが船中で9匹も上がる大型ラッシュ。期待を膨らませての釣行だったが、当日は潮の動きが悪かったのか、食い渋りに四苦八苦。それでも常連たちは、メバルの遊泳層を的確にとらえ、竿頭で18~27センチを10匹。船中で25センチ以上が14匹上がった。数は伸びなかったが、大型の気配は濃厚。春まで尺クラスを狙うアツい戦いが繰り広げられそうだ。【近江康輔】

   ◇   ◇   ◇

潮の流れが速い時間帯が長くて苦戦を強いられたが、ベテランたちがチャンスを逃さない技をみせた。中でも、目をひいたのはメバル釣り歴30年で毎年28センチ以上を20~30匹も釣っている近藤紀之さん(兵庫・太子町)。「メバルは潮が速い時はアタリが明確に出るが、岩礁から離れないため釣りづらい。逆に潮が緩むと岩礁の上に浮いて釣りやすくなるが、潮が緩いので食いが浅くなる」という。

潮が緩んだ午前10時前、満を持して尺クラスが狙える水深17メートルほどの小さな岩礁帯に入った。ここからが勝負だ。「底から1メートルは反応がありません。水深10~16メートルにメバルが浮いていますよ」などと、小さな磯の上に船を流し返しながら船長がアナウンスを繰り返す。

すると近藤さんが的確に群れをとらえ、すかさず25センチをゲット。「潮が緩いときは、竿先がモゾモゾする居食いのアタリが出るので、じわーっと竿を引き上げて食い込ませるのがコツなんですよ」とにんまり。

なるほど。記者も竿先がもたれるような微妙なアタリをとらえ、ゆっくり竿を引き上げた瞬間、カンカンカンと明確な食いアタリがきた。近藤さんが「それそれ。面白いやろ」とにっこり。鋭い引きをみせたのは27センチの良型メバルだった。釣り方を知っているのと知らないとでは大違い。

その後も、船長が魚群探知機でメバルの群れをとらえるたびに近藤さんが「アナウンスがあれば釣れたも同然」と竿を曲げ、23~27センチを7匹釣り上げた。他のベテランも食い渋るメバルにあの手この手で応戦。左舷後方では0・5号の極細ハリスを使う高橋宏和さん(大阪市)が「晴天で水の透明度が高いときや、食いが渋いときには、細い仕掛けが効くんですよ」とコンスタントに釣っていく。

結局、最後まで初日のようには活性が上がらず、数は伸びなかったが、全体で25センチ以上が14匹上がり大型の魚影の濃さを実感。この日の竿頭は5・4メートルの長竿で指示ダナをゆっくり上下して数を伸ばした能勢元昭さん(三木市)で18~27センチを10匹釣り上げた。記者も22~27センチを5匹。釣り方はわかったので、あとは経験あるのみ。大会が終わる4月末までに2匹の良、大型を追加し、上位を狙いたい。

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金は8000円(餌付き)。メバルは午前6時出船。タチウオ(同)は同5時半に出船。木曜定休。他に明石浦に丸松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・6981・4620がある。

【交通】第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え、林小学校前の信号を右折し県道718号へ。3つ目の信号を左折。林崎漁港内の同乗合船待合所へ。

【今後の見通し】厳寒期のメバルは食いムラがあるが、条件次第では数、型ともに期待できる。イカナゴの新子が底に流れだすと食いが上向き、水温の上昇とともに良、大型メバルの最盛期を迎える。