サクラマスの大物を狙って道南尾札部沖に20日、出掛けた。晴れ、風は初め弱く、のち強風。波1~1・5メートル。この海域は10匹の定量制がなく、数釣りを期待したものの、悪条件が重なって苦戦した。

午前6時、函館市尾札部黒鷲港から第3晃龍丸(白石仁船長、【電話】090・8427・4611)に5人が乗船、40分ほどの沖に向かった。サクラマス用胴突き仕掛け、バケ600グラム。他にジグやシャクリ。水深は40~55メートル。

前半は、水深40メートルのポイントに仕掛けを下ろした。海面にはまったく波がなく、まるで鏡のように穏やか。本船の他にも多くの小型漁船やゴムボートなどが出漁して、さかんにバケやジグを装着した竿(さお)を振っていた。

ただし、釣果のほうは今一つ。潮が動かない上、海水も濁っていた。そんな中、シャクリを使った人に最初の1匹目が掛かった。すると、周りの人も一斉に釣れダナ15メートルの浅場に合わせた。

ジグを使った人は底付近まで下ろしてから巻き上げた。それを何度か繰り返していると、竿が弓なりにしなった。食い付いたのは本命ではなく、丸々と太った良型のマダラだった。バケを使った人には、タナ12~20メートルでサクラマスが付いた。

時間の経過とともに潮が流れ始め、濁りも薄くなった。すると、ホッケの大群が現れ、どの仕掛けにもまんべんなく掛かった。群れが去っても、また別の群れが回遊して数が釣れた。

次第に波が高くなってきたため、この場所での釣りは1時間30分ほどで切り上げ、風を避けて前浜に移動した。こちらではアタリが少なく、新たなポイントを探して移動を繰り返した。

風はさらに強まり、無念の早上がりを決断。午前9時30分までの1人当たりの釣果は、1~2・2キロのサクラマス0~4匹、35~40センチのホッケ15~40匹、70センチのマダラ船中2匹。サクラマスはバケにヒットし、ジグには反応が薄かった。

前回2月20日の釣行では多い人で22匹を釣り上げた。白石船長は「条件が整えば、大漁も夢ではない」と次回に望みを託していた。【リポーター・竹鼻雅己=67】