桜も満開となり、春の訪れを感じさせます。春告魚(はるつげうお)として釣り人を魅了するのがメバル。BS釣りビジョン「大漁!関東沖釣り爆釣会」6代目リーダー太田唯(25)が神奈川の鶴見・新明丸で、東京湾の春の訪れを感じさせるメバル&カサゴ釣りに挑戦した。初心者でも手軽に楽しめ、ともに食べて美味となれば、釣らない手はない!

約25年前からモエビを餌にしたメバル&カサゴ釣りを展開する新明丸。フグやマゴチなどでもこだわりの餌と釣り方で人気の釣り宿だ。

同船は午前7時30分出船で、釣り船としては比較的ゆっくり。30分ほど前に船に乗り込むと、常連さんからの釣り方アドバイス。「仕掛けが着底したら30センチから1メートルくらい上げてアタリを待つといい。底ギリギリだと根掛かりしてしまうので、仕掛けがいくつあっても足りないよ」。

仕掛けは釣り宿オリジナルの胴付き仕掛けで、道糸PE2号、ハリス1・5号で枝ス1号。針は10号の2本針で、重りは15号だ。

太田 ハリスが細いから波にただよって自然な誘いになるんですよね。先輩に教わった受け売りですけど(笑い)。メバルとカサゴの両方を多点掛けで上げたいですね!

“海なし県”の奈良出身だが、船酔いはしないタイプだという。

太田 耐性がないと思っていたけど、釣りが好きすぎてテンションが上がってしまうのかも(笑い)。外房で船酔いしたことはあるけど、その時も吐いて釣ってを繰り返して、気合で釣りました!

富岡沖のポイントに到着すると、まずは餌付け。本紙赤塚辰浩記者からレクチャーを受けた。モエビの尻尾を落として、おなか側から針をさし、針先を出すかけ方だ。

太田 過去に1度メバル&カサゴの経験はあるけど、その時は背中から針を出していました。船宿によっても違うんですね。

メバル&カサゴ釣りは、魚が食うのをひたすら待つ“忍耐の釣り”でもある。だが、1度掛かると入れ食い状態も期待できる。多点掛けを狙うなら、アタリがあっても待つことがコツとなる。

太田 私はアタリがあるとつい合わせちゃうタイプなんです。でも今日はゆっくり待ちます。

最初のポイントで船中にアタリはなく、ポイント移動。新しい餌で気分も新たに挑戦。

太田 私がメバルだったら元気な餌に食い付くから! 

魚の気持ちになったからか、太田のサオにアタリが来た。

太田 何かいます。上げた瞬間止まったのでメバルかな? でもけいれんする感じなのでカサゴかもしれない。あっ、いるけど…。ちっちゃい(笑い)

釣り上げたのはベビーサイズのカサゴ。船中1発目だったがリリースした。だが、これで火が付いたのか15~20センチのカサゴを連発。ついにその時は来た。

太田 小さいのが掛かったけど上げずに次のアタリを待っていた。引きは重いのでいいと思いますよ。ほら、2匹いる。あっ、しかも上針はメバルじゃないですか!

宣言通りメバル&カサゴの多点掛けを実現させた。その後もカサゴ主体に釣り上げ、カサゴの多点掛けも連発。メバル&カサゴの多点掛けも再度見せた。

太田 サイズは大きくなかったけど、ずっとアタリがあって楽しかった!

高橋英夫船長(51)によれば、この日は「前日の風で潮が澄んでしまった。ナギが2~3日続けば濁りも入ってくるので、型も期待できます」。リリースサイズが多かったのは「底で掛かっていたと思う。メバルもカサゴも底で誘って、上がってきてから食わせたものの方が型がいい」と説明してくれた。

釣り初心者にとってはまずはアタリがあること、そして小さくても釣れること自体が楽しい。サオを持ってなくても、船宿のレンタルでOK。誰でも手軽に楽しめる。しかも食べておいしいとなれば、この春休みに挑戦してみませんか?【川田和博】

◆メバル 黒、赤、白の3種類がいるが、今回釣ったのは黒メバル。いずれも最大35センチ前後。夜行性で、日中は斜め上を向いて休息していることが多い。1年通して釣れるが、旬は11~4月。熱を通しても硬くならず、身離れがいい。煮付け、唐揚げ、塩焼き、大物は刺し身も美味。

◆カサゴ 最大30センチ前後。夜になると甲殻類、小魚を丸のみする。背びれ、胸びれなどに硬いトゲがあるので注意。春先が旬で、クセがない白身は煮付けや唐揚げ、塩焼きがオススメ。

◆太田唯(おおた・ゆい) 1995年(平7)9月25日、奈良生まれ。日本テレビ系「今日から俺は!!」SPドラマ等に出演、短編映画「MAKHALISS」で主演。釣りはBS釣りビジョン「大漁!関東沖釣り爆釣会」6代目リーダー就任の18年に始め、今年で3年目。今や、オーダーメードで専用釣りザオを作り、休日に1人でも釣りに行くツリジョに成長。自身のYouTubeチャンネルでは「孤独の女グルメ」「女子ひとり旅」などを展開。身長158センチ、血液型AB。

▼鶴見「新明丸」【電話】090・4600・1225 メバル&カサゴ餌込み9500円。マゴチ船サイマキエビ5匹付き9500円。フグ船餌別9000円。3船とも集合6時半、出船7時半。JR鶴見駅から徒歩約13分、京急鶴見駅から同6分。祝日を除く、毎週木曜日定休。