大剣と呼ばれる40センチを超えるマイカが釣れている福井・大島沖へ先日、「川口渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。情報通り、日暮れとともに大剣が釣れだし、ロッドをギュンギュン絞る好ファイトを堪能。船中で40センチ超が17匹上がり、竿頭で17~43センチを25匹仕留めた。昼間は、完全フカセで乗っ込みマダイも狙い、船中で45~62センチが5匹ヒットし、大満足の釣行だった。マイカ、マダイともにビッグサイズを狙うなら、今がチャンスですよ。

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日暮れとともに集魚ライトがともされ「底付近を狙ってみて」という川口船長の指示でいっせいに開始した。イカ釣りはこの瞬間の期待感がたまならい。水深は約80メートル。すると開始早々、旬の食材を求めてやってきた調理師の森口宏明さん(京都市)に大型がヒット。長い船竿を絞ったのは43センチで「文句なしの大剣やね」とにんまり。仕掛けは8本針の胴突きで底から4メートル切ったところで、竿を大きく上下して誘っている。

記者はグローの赤白エギを使ったオモリグで挑戦。底から3回しゃくっては止めることを繰り返すとグッググーと竿先が引き込まれるアタリをキャッチ。ロッドをグイグイ締め込む引きをみせたのはこれまたビッグな40センチ超えだった。ほかの人も35~40センチ超を手にしてにんまり。真夏のようにイカが浅いタナに浮いてくることはなく、アタリが出るまでの時間も長いので入れ掛かりとはいかないが、サイズは文句なし。深場から引き上げる重量感ある締め込みは満点だ。

一方、近年、大人気のイカメタルも好調。シェイク&ステイで三田市の岡田猛さんが40、41センチを連発。「昨年も、この時期にでっかいのがよく釣れたが、今年もいい感じですね。しばらくの間、川口通いが続きそうですわ」と笑顔で話す。

その後もアタリが止まってしまう時間帯はなく、納竿の午後11時までポツリポツリと釣れ続き、竿頭の森口さんが17~43センチを25匹キープ。全体(5人)で40センチ超えの大剣を17匹仕留めた。

日暮れまでのエサ釣りでは乗っ込みの良型マダイも竿を絞った。少量のまき餌(オキアミ)を断続的にまき、刺し餌と同調させる森口さんが45~62センチを3匹ゲット。コツを聞くと「刺し餌を海中へ入れると同時に糸を20メートルほど、どんどん送って底潮になじませることが大事。そうしないと刺し餌が沈まず、上潮に乗ってポイントよりも遠くに流れてしまうから」という。

これを聞いたビギナーの谷口浩さん(神戸市)が「なるほどね」と開眼。それまでまったくアタリがなかったが、まねると糸が一気に走る食いアタリをとらえ55センチを釣り上げた。記者もちゃっかり50センチを食わせ、森口さんに感謝。目からうろこが落ちた。獲物は森口さんに教えてもらった昆布じめにし、薄作りにして食べたがとてもおいしかった。【近江康輔】

【今後の見通し】梅雨明けまで、大型のマイカが期待できるだろう。その後は真夏にかけてタナが浅くなり、小、中型の数釣りが楽しめる。乗っ込みマダイは今が最盛期。例年、6月半ばまで釣れ続く。朝からじっくり餌をまけば、60~75センチのヒラマサや、良型のイサギに加え、レンコダイも食ってくる。

【問い合わせ】川口渡船【電話】090・8969・7909。乗合船料金は1万3000円から。仕立船料金は5人まで6万5000円から(1人増5000円)。ともにエサ、仕掛け、氷は別。ほかにも、FCビッグワン(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・3767・1130がある。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を西へ。青戸大橋の信号を右折。県道241号を道なりに走り、トンネルを2つ抜け、右手に入り江が見えてきたら右折。海岸沿いを進むと左手に川口渡船があり、向かいが乗船場。