山梨・桂川で1日、アユ釣りが解禁となった。開幕を待ちわびた約2100人(桂川漁協発表)のファンが各所でサオをしならせた。

桂川支流となる鶴川の八ツ沢橋下流で楽しんだ並木忠治さん(68)は「水位が低い。せめて膝までは欲しいかな」と話した。前夜約1時間ほどの激しい雷雨の影響で水に濁りは入ったが、水位は昨年よりも10センチほど低くなっていた。だが釣果は上々。午前8~10時半の約2時間半で、12~18センチを21匹釣り上げた。「水温が高くなった9時過ぎから活性が上がったのか、追いが良くなった」という。「まだ群れていて、いついていない。お盆のころには、大きいのも楽しめそうかな」と続けた。

本流の中流上部となる曙橋では、場所ムラが出た。流れが緩いポイントを攻めた白石暁央さん(78)は「ひどい。午前4時からサオを出して正午で5匹。こんな解禁日は初めて」と苦笑。だが約50メートル下流のやや流れが速いポイントでは、多くのサオがしなっていた。20センチ超の大型を上げた山田政秋さん(74)もその1人。「良い型が出てうれしいですね。大きいのが釣れているので毎年来ているけど、中でも今日のは大きい」とご満悦だった。

桂川漁協上野原支部の細田充さん(70)は、動画「ニッカン釣りチャンネル」出演のため、10年ぶりに解禁日にサオを出した。八ツ沢橋下流をアタックするも、午前11時過ぎのサオ出しから不発。だが、曙橋に移動するなり、第1投目でヒット。わずか1時間ほどで5匹を釣り上げた。「久しぶりに楽しめた。アユ釣りは1に場所取り、2に場所取り、3も場所取り。4がオトリで5に腕。アユは縄張り争いをしているけど、人間も場所取りをするのがアユ釣りですね」と笑った。

桂川では4月5日から5月13日までに、琵琶湖産約8トンに加え、相模川漁連海産を約2トンの計約10トンを放流。湖産は体高が高く追いが良いのが、海産はシーズン終盤まで元気だ。友釣り専用区は、9月15日まで楽しめる。