明石海峡の夏の風物詩・マダコ釣りを楽しもうと先日、林崎漁港から出る「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で同沖へ出た。潮の流れが速くて小、中型の乗りは悪かったが、カラフルなエギやスッテ仕掛けを小刻みに揺らして誘うと、朝の時合にグッドサイズが連発。竿頭で300グラム~2・1キロを14匹ゲット。グーッと竿先を引き込むアタリ、重量感たっぷりの手応えを楽しんだ。身のうまさで知られる明石のブランドマダコ。まさに釣ってよし食べてよしですよ。

「ロッドにずっしりと重みが乗る手応えがたまらない」。開始、1時間ほどしたときにズシーン。明石のタコ釣りに魅了され週2のペースで小松乗合船に通う金城弘幸さん(伊丹市)の竿がグワーンと曲がり2・1キロをゲット。「リフト&フォールで広範囲のタコにアピールしていると乗ってきたよ」。真っ黒に日焼けした顔でうれしそうに話し、会心の1匹にドヤ顔をみせた。

朝の時合なのか、左舷の佐々木茂義さん(大阪市)も、1・8キロを釣り上げてにんまり。「アタリが出たあと、3秒ほど待って、しっかり抱かせてから合わせました。明石のタコが大好きな妻にいいお土産ができました」と大喜び。ほかにも、立て続けに3匹ほど良型が上がり、意気揚々。共通のヒットパターンはタコがエギを触るアタリが出ても、あわてず一呼吸置いてから合わせることだそうだ。だが日が高くなり、潮の流れもどんどん速くなるとペースダウン。それでも、誰1人手を休めることはなく懸命にエギを踊らせて、ポツリポツリと釣っていく。あと1匹、もう1匹と粘り強く釣っていくのがタコ釣りの楽しさだ。

明石タコのもう1つの魅力は身のうまさ。明石沖は貝やカニがたくさん生息していて、潮も速いことから、足が太く、うまみが強くて絶品。特に今年は不漁のため、ただでさえ、高値で取り引きされるブランドマダコの価値がさらに高まっている。足1本でもかなり値段が高くて手が出ない。

そんな高級食材をたくさんゲットしようとやってきたのが京都の藤本さん夫妻。妻のまみさんが紅一点の頑張りで1・5キロまでを8匹キープ。「グーンと竿が重くなる感触がめっちゃ楽しい。今夜は夫(幸介さん)と、タコ焼きパーティーをするのが楽しみです」と大ハシャギ。

また、入田修佐さん(堺市)も1・8キロを仕留めて満足顔。「明石のタコはとにかくうまい。1度、食べるとほかのタコは食べられないです。ロッドに重みを感じながら引き上げ、海面で大ダコの姿を見たときにはうれしさが込み上げます」という。

小型ばかりだった記者もシェイク&ステイを繰り返すと終盤になってようやく1・5キロがヒット。足が太い刺し身クラスに満足し正午に納竿した。竿頭は金城さんで2キロ級2匹を含む14匹。常連の技が光った。明石のタコはこれからが最盛期。大ダコを狙って出掛けてみてはいかがですか。きっとはまりますよ。【近江康輔】

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金は、8000円。午前4時半に集合、同5時に出船。木曜日は定休。ほかにも、明石浦漁港に丸松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・6981・4620がある。

【交通】第2神明道路の玉津ICを出て、国道175号を南下。和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え、林小学校前の信号を右折。県道718号へ。3つ目の信号を左折し、林崎漁港の小松乗合船事務所へ。