香りがいいべっぴんのアユを求めて6月22日、京都・上桂川へ友釣りに出掛けた。朝イチは、水温が低く、追いが渋かったが、日差しが照り込みだすと野アユの活性も上昇。浅場で人が多く、プレッシャーが高い中、丁寧な引き泳がせ釣りで追い星がくっきり出た16~20センチの美形を30匹追わせた。魚影が濃く、成育も良好のようで、終盤まで十分に楽しめそうだ。

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午前8時ごろ、上桂川漁業協同組合事務所で情報収集。いつも、お世話になっている渋谷洋幸さんに「周山大橋下流の通称・すし米さん~コンビニ裏がいいのでは」と勧められ、車を走らせた。ここは河川敷まで車を下ろすことができるのでとても便利。上流からトロ場、岩盤、チャラ瀬、瀬と約200メートル続く人気ポイントだ。水位は平水より10センチ高で濁りなし。すでに先行者が数人竿を出しているので邪魔にならないように上流から入川させてもらった。

朝は放射冷却で、気温も水温も上がらず、まったく反応なし。一時はどうなることかと心配したが、午前10時ごろから、日差しが強くなり始めると状況が好転。瀬肩で追いがあり、やっとの思いでオトリを天然アユに替えることができた。

この後は丁寧な引き泳がせで釣っていく。下流からオトリを引き上げ、反応が出ると止めてオトリの尻尾を振らせる。これの繰り返し。岩盤から瀬尻までの流れが緩むポイントで2~3匹ずつ掛け、昼までに16~18センチを12匹キープした。

午後は最上流部のトロ場へ入った。午前中、まったく反応がなかったところを探り直すと、いきなり4連続の入れ掛かり。太陽の照り込みでアユの活性が上がった感じ。しかも型がよく、20センチ超えが元気いっぱいの引きで縦横無尽に走り回る。美形のナイスボディーを手に思わず、べっぴんさんやなとうっとり。このまま追いが続くかと思いきや、その後はアユが見えなくなってきたので下流の瀬肩へ。

すると、ここでも4連発。だが、またもやアユが見えなくなる。浅場の人気ポイントだけにプレッシャーが高く、なかなか手強い。それでも、気配を消して丹念に探り続け、夕方までに約200メートルの間を2往復し16~20センチの美形を30匹追わせ、竿を置いた。今年は型がいいのが特長で、湖産の強いアタリ、引きを満喫させてもらった。

ヒットパターンは時間の経過とともに日差しが照り込む場所を的確にとらえ、野アユの活性が上がるタイミングを見極めることだった。納竿後、誰もいない川を見ているとトロ場から浅場にかけて、数えきれないほどの野アユがコケをはみだす光景が目前に。もう1度、竿を出そうかと迷うほどのアユの魚影の濃さを実感した。【日刊FPC・堀内圭三】

【今後の見通し】これから、梅雨の増水が繰り返されると、アユが広範囲に散って、それぞれの餌場で縄張りをしっかり持ち出す。魚影が濃いでの、梅雨明けの本番が楽しみ。友釣りは8月28日の午前8時まで。

【問い合わせ】上桂川漁協(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】075・852・0134、テレフォンサービス同・855・0700。年券1万4100円(写真必要)、日券4500円(3日から販売)。漁協は水曜日定休。

【交通】京都市内から約30分。国道162号を北へ。福王子交差点、高雄、京北トンネルを越え、上桂川漁協へ。