東京湾遊漁船業協同組合(飯島正宏理事長)は14日、湾内羽田沖の浅場にマコガレイの稚魚1万匹を放流した。同組合では、長年カサゴやメバルを放流しているが、2017年(平29)からカレイを実施、今回で5年連続5回目となる。

今回、東京・大森の「まる八」桟橋にトラックで運ばれてきたカレイの稚魚は、山口県産。同県の「下松市栽培漁業センター」で生産された種苗を「神奈川県栽培漁業協会」を通じて入手したもので、体長は平均5センチ。

稚魚は、同組合員15人によってバケツに移されて釣り船に積み込まれた。午前9時前に出船し、羽田沖浅場に放流された。ここは、羽田空港の東側に約8キロにわたって砂底の浅場が造成されている。カレイの産卵や生育に適している海域になっている。

東京湾のマコガレイは、古くから江戸前のカレイとして人気があり、冬場が旬の釣りとして流行していた。釣り場が次々に埋め立てられ、産卵場所も少なくなり、近年絶対数が激減。10年ほど前からは、乗合船のもほとんど出なくなった。

放流された稚魚が20センチを超えるまで3年ほどかかるという。「マコガレイは、東京湾で激減した魚種の代表格。組合としては、今後も種苗が手に入れば、放流を毎年続けていきたい。放流を始めて5年目、そろそろ効果が出てきていい年になってきています」と、飯島理事長は期待している。