千葉・飯岡「梅花丸」(梅花武幸船主=58)の第8回マダイダービーが、今日1日から10月31日まで行われる。夏の訪れとともに例年、大ダイが食う飯岡沖では今季も7月上旬から5~6キロ級が記録されている。ひとつテンヤ、タイラバ、メタルジグなど釣り方はいろいろ。腕自慢にとって、一発仕留めれば「愉快指数」爆上がりの、「熱い」季節がやってくる。

チャンスタイムがやってきた。干潮から満潮へ転じたタイミングで潮が動き始めるとともに、マダイの活性が上がってきた。至る所でサオ先が絞り込まれる。梅花丸の定義として3キロ以上とされる大ダイには及ばなかったが、1キロを少し切る「尾頭付き」が次々と取り込まれた。

約1年前に4・3キロを釣り上げた佐藤優輝(まさき)さん(30)は、右胴の間で底付近をテンヤで丁寧に小突いて誘っていた。「着底してサオを1度シャクり、落とし込んでいる最中に食った。セオリー通りだった」と言う。左トモ(最前方)の横田周平さん(29)も、同じ誘いのパターンを丹念に繰り返し、食わせた。

かじを取った梅花亮佑(りょうすけ)船長(32)によると、この落とし込みで食わせるのが、パターンだという。攻めるポイントは魚礁周りと、底が砂地の2カ所。歴代チャンピオンは、こだわりの釣り方で栄光を手にした。

2017年(平29)の王者で右ミヨシにいた飯島保茂さん(49)は、「魚礁は落とし込み。砂地の場合、ベタ底で道糸を張らず緩めずの状態にしてじっと待つ」と話した。別船に乗船していた18、19年の優勝者、師資田(ししだ)誠さん(50)は「サオ先にプルプルとアタリが出たら巻き上げて食わせ、獲物の重みを感じながら巻き取る」と教えてくれた。

昨年の覇者で右トモにいた高橋宏通さん(60)は、「エサ付けが5割」と強調する。エサとなる冷凍エビの頭が取れてしまわないよう、親針を尾から腹に抜いた後、孫針の先は腹と頭にしっかり入れていた。また、誘い方について「魚礁周りは着底させたら、1メートルほど巻き上げてサオを立て気味にして誘い出してアタリを待つ。砂地の場合は落とし込みで道糸が止まってサオ先が入るのに注目する」と、伝授してくれた。

それぞれが釣り方を研究して大ダイをゲットしている。今年の審査方法は3匹の総重量。4~6キロのマダイを3匹以上釣れば、上位に食い込める。優勝するには、8~9キロの巨ダイが求められる。実際、師資田さんが18年に優勝した時は、9・5キロが大きくものを言った。「例年通りだったら、型物は8月から出始めます。チャンスですよ」(梅花船主)。海の中にお宝は潜んでいる。 【赤塚辰浩】

<梅花船長のアドバイス>

◆推奨仕掛け 道糸PE1~1・2号、リーダー3~4号。リールのドラグは1キロ目安。テンヤは3~15号。潮が速い場合、仕掛けが流されやすく底が取りづらいので、8号よりも重いテンヤが望ましい

◆キャスト 安全のためテンヤは船よりも外に出し、アンダースローで

◆不意のアタリ 落とし込みの最中、突然ドーンと食ってくる場合に備え、仕掛けの投入時にはリールの糸を軽く押さえておく

◆一撃の後 魚礁で食った場合、根ズレを防止するため、最初にリールを強引でもいいからガンガン巻いて底から引き離す

◆やりとり 船べりに体を密着させ、安定させる。独特の「三段引き」で巻き上げ時も抵抗するので、ドラグとサオの弾力でかわす。サオの柄の部分を左手で支え、抵抗が弱くなったらテコの要領で柄を左手で上げながら、右手でリールを巻く

▼船 飯岡「梅花丸」【電話】090・2155・0500。午前便は3時30分、午後便は午前10時30分に船宿集合。船着き場は、そこから1キロほど先の飯岡漁港内にある。料金は要確認。ヒラメの午前便もあり。https://baikamaru.com/