中、南紀沖一帯で夏の風物詩になっているアカイカ釣りを楽しもうと先日、中紀・御坊の乗合船「千代丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で日ノ岬沖へ出た。集魚ライトがともされると浅ダナにイカが浮き上がり、胴突仕掛け、イカメタルともに順調にヒット。最高で2連掛けを6連続させる人もあり、竿頭で12~21センチを32匹釣り上げた。小型が中心だけに警戒心が強く、アタリも小さいため、いかに誘って食わせるタイミングを演出できるか、どうかで釣果に差が出るところが面白かった。
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ケンサキイカは、和歌山でアカイカ、山陰でシロイカ、福井ではマイカと呼ばれる。和歌山沖で釣れるアカイカは小型が中心だが、身が柔らかいことから、好んで釣行する人も多い。
へ先の大島成元さん(東大阪市)もその1人。「日本海の大剣(40センチ超えのマイカ)は引きはいいが、食べるなら和歌山のイカに限る。毎年、冷凍保存する1年分のイカ(300匹ほど)を釣りに来るんです」とにっこり。7本針の胴突き仕掛けを使い、指示ダナ(水深15~30メートル)の間で2回しゃくっては止めを繰り返し、コンスタントに釣っていく。
当日のヒットパターンは細谷健太船長お薦めの誘いまくってピタ止め。船尾の三宅博義さん(橿原市)がなんと6連続で2連掛けを達成。「船長から2段しゃくりで大きく誘ってから、しっかり止めると乗ってくるよと教えてもらい、まねると釣れました」と笑顔をみせる。さすが船長。顔はいかついが気は優しく、世話焼きなところが魅力でリピーターが多いのもうなづける。
左舷後方ではイカメタルの井流正典さん(大阪市)がワンピッチジャークを2回したあとにテンションフォールやフリーフォールでイカをひきつけ、ステイ中の小アタリをフッキング。1時間ほどで2桁ゲット。イカが小さいのでアタリも小さく、竿先のわずかな変化を掛け合わせるテクニカルな釣りだが、スッテのカラー、誘いと食わせのタイミングをいろいろ試しながら釣っていくところに面白さがあり、イカ釣り師を夢中にさせる。
それならと記者も、イカメタルのシェイクでスッテを激しく動かし、ピタ止めすると一発でヒット。隣の山口隆さん(三田市)も「きょうはシェイクでよく当たるね」とエギのカラーをローテションして数を伸ばし、用意してきたタレ(3倍濃縮の麺つゆ)の中に生きたイカを次々にIN。「沖漬けはビールのあて、ごはんのおかずに欠かせないんです」と笑顔で釣っていく。
当日はサバの回遊もあり、怒とうの入れ掛かりとはいかなかったが、アタリが止まることはなく午前0時前まで、ポツリポツリと釣れ続き、船中で30匹超えが3人。竿頭は大島さんと井流さんで、12~21センチを32匹釣り上げた。真夏の炎天下を避けて夜釣りで、のんびりイカアタリを楽しむなら今がチャンスですよ。【近江康輔】
【今後の見通し】取材後に大きな群れが入ったようで釣果が上向いており期待大。3桁釣りの情報も。例年、8月末まで楽しめる。イカ釣り船が少なく、イカが集まりやすい平日が狙い目。
【問い合わせ】千代丸【電話】0738・23・1621。乗合船料金は1万2000円(氷付き)。無料仮眠所あり。出船は午後5時。
【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡って同西詰めの信号を左折。国道42号に入り北上、名屋町3丁目北の信号を左折。県道186号に入り、突き当たりまで直進。千代丸が出る美浜新港へ。

