演歌歌手の出光仁美(37)が千葉・勝山「宝生丸」(小滝俊之船長=26)で、念願のマグロ釣りに初挑戦した。コマセで狙うキハダマグロ&カツオ釣りは8月1日に解禁。下旬になって魚がコマセになれてきたとの情報を得ての挑戦となった。「いつかマグロ釣りに挑戦したい」。そんな出光の挑戦だったが、“ホロ苦”デビューとなった。

「マグロ釣りに挑戦したくて、そのためにトレーニングしています」という出光。その夢がかなう日がやってきた。釣り場となる相模湾までは約1時間半。出港するとすぐに朝食のバナナをパクリ。「バナナッ!」とテンションMAX。「カロリー取りましたので、これで大丈夫です」とニコリ。移動中、常連さんから餌の付け方も教わった。「大きめのオキアミを尻尾から針に刺して、小さければ2匹目をおなか側から刺して抱き合わせにするといい。針は隠したほうがいいです」。

小滝船長によれば「キハダはカツオと一緒に移動することが多い」という。「カツオの群れを探しますが、移動がとにかく速いので、合図があったら仕掛けをすぐに投入できるように準備しておいてください」。これがアタリを多く出すポイントで“一流し一投”の勝負となる。

釣り場に到着すると船長から「25~30メートル」の指示。改めてサオを手にした出光は「うわっ、重い! サオが落ちないようにしないと…」と困惑気味。小柄な身体全体を使ってしゃくると「はい上げてください」のアナウンス。「えっ、こんなに速いの!?」と困惑の連続だった。

第2投目で左舷(げん)最前列と2人目、そして出光にアタリ。左舷最前列と2人目はしっかり合わせたが、それでも最前列はバレ、2人目は仕掛けごともっていかれた。出光は「ピュッピュッてなって途中まで重かったんですけど…」と苦笑した。

「コマセがちゃんと出るように、やや少なめにしてみます」。一流し一投勝負となると、コマセを出すタイミングや量が勝負となる。これを感じとっての作戦変更だ。釣り開始から約1時間ほどで、左舷最前列が55センチ約3キロのカツオを上げた。「うらやましい。私も欲しい。まだまだ時間はあるので頑張りますよ!」と気合を入れ直した。

だがその後、出光のサオがしなることはなかった。「初めての釣りがカツオで、その時は2時間くらいでみんなクーラーボックスがいっぱいになって、私も8匹釣りました。その時の快感があったのですが…」と悔しさをかみしめた。だが、「今回挑戦できてよかったです。いつか必ずマグロを釣ります!」とリベンジを誓った。

小滝船長は「カツオはアタリに合わせて、針を上顎にしっかり掛けないとダメ。ビシを上げてから走られたら、まずバレます」とアドバイス。マグロについては「運ですね」と笑いつつ、「掛かったらまずは走らせて、弱ったら巻く。うちの船でも先日キハダが掛かりましたが、その瞬間に一気に走られてバレてしまいました」と話した。

この時季の相模湾には、キハダマグロ&カツオを求める船団が形成される。キハダがヒットすると船のパトランプが点滅するが、取材当日は10隻以上で点滅。日刊スポーツ共栄会の小田原「弘美丸」では約30キロのキハダ2匹を上げていた。釣り人なら1度は上げたいキハダ。技術に加え運も求められるが、それだけに釣れたときの感動は大きいはずだ。挑むだけの価値はあるぞ! 【川田和博】

◆出光仁美(いでみつ・ひとみ)1984年(昭59)9月7日、福岡県宗像市生まれ。大学在学中に美術教員免許を取得も一般企業に就職。その後、夢だった演歌歌手を目指し作曲家の水森英夫氏に師事。10年4月、「おんな七厘・神楽坂」でデビュー。昨年8月、最新曲「あいたか橋で」をリリース。レギュラー番組は「ラジオdeヒットミー」(ぎふチャン日曜午前7時30分、山形放送火曜午後6時10分)。150センチ。血液型A。

▼勝山「宝生丸」 【電話】0470・55・2777。キハダマグロ&カツオは3人以上で出船確定(午前5時出船1万3000円。有料レンタルタックルあり)。この時季レギュラー出船はカワハギ(午前6時出船、8500円)、カンパチやワラサ等を狙うアジ泳がせ(午前5時出船、1万500円)と午後アジ(午後1時出船、7000円)。カワハギ、アジ泳がせはホームページ割引あり。