日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2021 日刊スポーツ杯 神戸・平磯海づり公園釣り大会」が7日、神戸市垂水区の同公園で行われた。67人が参加し、午前6時から、10センチ以下の魚とフグ、ボラのほか長物魚、毒魚、イカ、タコを除く総重量を競った。晴天に恵まれたが、風が強く潮の流れも速い中、奮闘。トップは岡本孝司さん(西宮市)で、のませ釣りでメジロ2匹を仕留めるなど7580グラムを釣り上げて圧勝。大物賞は67センチのマダイを釣り上げた石倉孝彦さん(神戸市)が獲得した。

「大会でメジロが2匹も釣れるなんて、きょうはできすぎです。腕が筋肉痛になるほど強い引きでした。優勝できて最高の気分です」。生きアジを餌にしたのませ釣りで狙い通りに大物を仕留めた岡本さんが喜びを爆発させた。岡本さんは平磯海づり公園に週1回ペースで通う常連で年間40匹以上のメジロやハマチを仕留めている。それだけに青物が回遊する潮回り、ポイントを熟知しており、迷うことなく実績の高い西端で勝負した。

上り潮が勢いよく西へ流れる中、40メートルほど沖の潮目を狙うと早朝から大当たり。立て続けに竿をひったくっていくアタリをとらえ、ラインを一気に引き出す豪快なファイト(1匹につき約15分)を堪能。一進一退のやりとりの末に71・5、70センチのメジロを手にした。仕掛けは遊動部分がある胴突き1本針で捨て糸は50センチ。「底近くを狙ったのが正解でした」と振り返る。

優勝カップが贈られるとうれしそうに高々とかかげてグッドスマイル。「ずっと日刊スポーツの大会で優勝したかったので感無量です。毎週、通ってきたかいがありました。泣きそうなぐらいうれしい。今夜はカップを枕元に置いて寝ます」と感激のコメント。

目標はメーター級のブリや平磯海づり公園記録を超える大型のヒラメを仕留めること。明石海峡を目前にした豊かなフィールドで岡本さんの大物狙いが続く。【近江康輔】

◆2位・森和正さん(前回優勝、神戸市) 昨年は近投でグレが連発したのですが、今年は群れが遠くて匹数が伸びなかった。それに朝イチに隣の石倉さん(大物賞)に大きなマダイを釣られてしまい、意気消沈してしまった。来年は優勝目指してリベンジします。

◆3位・大路充子さん(加古川市) サビキや胴突き仕掛けでスズメダイやカワハギ、アナハゼにベラなど、五目釣りを楽しみました。強風と速い流れで釣りづらかった。来年も主人(智也さん)のアドバイスを聞きながら頑張ります。25センチ以上のメバルを釣ってみたい。

<大物賞・石倉さん67センチのマダイゲット>データフィッシングで見事、67センチのマダイを仕留めた石倉さんが大物賞を獲得した。「長年、釣り日記をつけてきたが、大潮直後の中潮で釣果をあげることが多いので狙っていました」。ポイントは7番テント前。左にシモリがあり、沖の速い流れが緩む25メートル沖の境い目を攻めた。釣り方はシラサエビを餌にしたカゴ釣り。タナは2ヒロ。勝因はまき餌を1カ所に集中させたことと、トラブルがないように1本針にしたことだった。

午前7時ごろ、ウキがじわーっと引き込まれ、合わせるとゴーン。かなりの手応えで大物がヒット。「リールのレバーブレーキを使い、秋マダイのパワフルな突っ込みをかわしながら取り込みました。朝からお腹がいっぱいになりましたよ」とスリリングなやりとりを振り返る。

受賞が決まると「とても幸せな気持ちです」とにっこり。実は魚釣りに出掛ける前の深夜2時ごろ、酔っ払って道に倒れ込んでいた人を助けたそうで「人助けをしたごほうびかも」と穏やかな笑顔をみせた。目標は90センチを超えるマダイを仕留めること(自己記録88センチ)。「平磯海づり公園は釣り場が長いのでポイントが多く、潮が真横に流れるため、まき餌がよく効き、魚影が濃いのが魅力。これからも通って狙っていきます」とさらなる大物にも夢を膨らませた。

○コロナ対策 コロナウイルス対策としてマスク、アルコール消毒を徹底して行ったほか、開会式を省き、表彰式も簡素化した。上位入賞者以外の表彰、賞品の寄贈については郵送する形をとることでソーシャルディスタンスに配慮した運営を行った。