日刊スポーツフィッシングサーキット「第8回梅花丸マダイダービー」最終決戦が、千葉・外房は飯岡「梅花丸」(梅花武幸船主=59)で行われた。上位16人に選ばれた中から、都合により不参加の5人を除く11人が乗船。「ダービー王」を目指し、腕を競った。8月1日にスタートした今回のダービーは、1回の釣行につき最も重いマダイ1匹を審査の対象とし、これを3匹の合計重量で争った。飯島保茂さん(49)が、合計19・54キロで4年ぶり2回目の優勝を果たした。最終決戦でも5・5キロと3・2キロを釣り上げ、花を添えた。

飯岡沖の「タイ漁祭」はダービー最終日まで続いた。午後船の1投目から大小さまざまなマダイが乱舞する。次々とサオ先が引き込まれ、活性は高い。

右トモ2番手に陣取った飯島さん、午後1時20分ごろにガツンと手元に大きなアタリが伝わった。まずは、根ズレしないよう強引に巻き上げる。そこからはマダイ独特の三段引きを味わいながら、やりとりする。海面に浮いてきたのは、5・5キロの大ダイ。この後、3・2キロも確保した。

今回はすでに6・66キロ、6・52キロ、6・36キロと大ダイをそろえている。最終決戦でこれらのサイズを上回る入れ替えはできなかったが、まさに独壇場だった。「テンヤをできるだけ遠くに投げて底まで落とし込み、巻いて止めて誘った」という。上からユラユラと揺れ落ちるエサに興味を示す習性を利用した。実は、7キロ超級をまだ釣ったことがない。「夢の7キロオーバーとともに、連覇を狙いたい」と笑顔を見せていた。

8月1日にスタートした今回のダービーは、1回の釣行につき最も重いマダイ1匹を審査の対象とした。これを3匹の合計重量で競う。10月24日まで何度でも乗船可能。マダイの入れ替えもできる。最終日の上位16人の中にはわずかな重量差でひしめく順位もあった。7~8キロの一発大物が上がれば、大逆転も可能という面白さも加わった。

一発逆転を狙った2位石井一さん(56)は、右舷ミヨシ(最前方)から2人目で5・08キロをゲット。5キロと入れ替えて追い上げたが、計17・58キロで飯島さんに及ばず、2年連続の銀メダルとなった。

中には昨年王者の高橋宏通さん(61)のように、大ダイらしきアタリにライン切れもあった。最終決戦出場者の中では最も重い7・78キロを釣り上げている。「あの時と同じような重さだった。取れていれば」と残念がった。高橋さん、今年も落とし込み釣法で大物を連発している。「着底して、糸フケを取ったら少しシャクッて5秒ほど止める。次に少し落としてシャクり、リールをひと巻きしてまた待ちます。これを『底から5メートルまで反応があります』などという船長の指示ダナまで繰り返す」と、伝授してくれた。

今回はこのほか、3~4キロ前後が上がるなど最後まで活況を呈した。誰もが「タイ漁祭り」を楽しんでいた。2年前に最終決戦まで進みながらシケで出船中止となったため、今回が初出場という阿波憲二さん(57)は、「上手な人の釣り方を見ながら、いいタイが釣れて楽しめた」と笑った。

梅花船主は、「全体に型がそろっていたので、大物の引きを堪能してもらえたと思う」と話していた。ダービーは終わっても、飯岡沖では「尾頭付き」が待ち構えている。【赤塚辰浩】

▼船 飯岡「梅花丸」【電話】090・2155・0500。午前便は3時45分、午後便は10時30分船宿集合。料金は要確認。ヒラメの午前便もあり。