投げ釣りを得意とするプロアングラー林賢治氏(48)が、日刊スポーツ釣り宿共栄会「村本海事」(関口真一代表=59)が渡船を行う神奈川・野島防波堤で、一足早めのカレイ釣りに挑戦した。同防波堤は“カレイの聖地”の異名を持つポイントだが、取材当日はまだ水温11度と低め。どんな状況でも結果を出してきたという林氏をもってしても「今日は厳しい!」という状況だったが、同防波堤におけるカレイ釣りの攻略法を聞いた。

“カレイの聖地”という野島防波堤について、「僕はそう思っています。おそらく東京湾で最も釣れるポイント」と林氏は称した。だが経験豊富な林氏だからこそ分かることがある。「まだ潮温が低いので今日は厳しいですよ。2~3週間早い。でも、できるだけのことはやってみます」。魚群探知機を使って魚がいるポイントを狙える船釣りに対して、堤防の釣りは経験と知識を駆使する必要がある。

餌は岩&アオイソメ。カレイ釣りの仕掛けは上針1本と下針は段差の2本針だが、上針はミックス、下針2本の上に岩イソメ、下にアオイソメで探るのが林流。「どの餌が食いがいいかを探って、その餌に変えていきます。餌取りが多いとキロ単位でなくなりますから」と笑った。

林氏が最初に選んだポイントは「ドック」。「岸との間の水道が潮の流れがいいので本来なら狙い目ですが、最近は全く反応がないようです」と前取材済み。同防波堤でのカレイ釣りは1人3本までサオを出せるため、1本は水道、もう2本は反対側へと投げた。だが、前取材通り水道には全く反応がない。「潮の流れがない。カレイ釣りはオモリが潮に流されて止まる根やカケアガリが狙い目だけど、今日は潮が流れていない。こういうときは自分で誘うしかない」。あの手この手を尽くしたが、「餌取りもいない」状況だった。唯一釣れたのは外道のフグだった。

その後、「青灯」へと移動。同防波堤におけるセオリーを「上げ潮の時は横須賀方面、下げ潮の時は東京湾方面に向かって投げる」と説明。そのセオリー通りに3本のサオを50~100メートルの間で投げ分け、カレイを探った。アタリはあったが「全部餌取りですね」。 結局この日、カレイの姿をみることはなかった。“花見ガレイ”という言葉があるように、文字通り桜の花が咲くころが旬だ。カレイ釣りは「最も難しい釣り」という林氏。「他の魚のように前兆がなく、突然食ってくる。餌が目の前にあっても時合いにならないと口を使わない難しさがあります」と話したが、「だからこそ釣ったときの喜びがある」と目を輝かせた。

関口氏は今後について、「潮温が上がれば日ごと、潮ごとに群れが入ってきます。マダイもちらほらと入ってきています。4月はマコガレイの本番ですので期待できると思います」と予想した。また、「4月の毎週土曜日は夜釣りも行います。カサゴや赤メバルの数釣りも楽しめると思います」と胸を張った。なお、この取材翌日には常連の内野武志さんが新堤で35センチマコガレイ、55センチマダイを釣り上げている。

春本番の“カレイの聖地”を楽しんでみませんか。【川田和博】

▼野島「村本海事」【電話】045・781・8736。クロダイ、マコガレイ、マダイ、シーバス、アイナメ等狙える。渡船時間は<1>朝便=午前7時発<2>9時便=午前9時発(要予約2人以上)<3>昼便=午前11時45分<4>夕方便=午後3時30分発(午後4時沖あがり)<5>日没便=日没もしくは午後6時30分(沖あがり、日曜除く)<6>半夜便=午後8時30分(沖あがり、土曜のみ)。事前予約システムあり。※渡船時間は4月以降のもの。料金および詳細は船宿にお問い合わせください。