釣り好き演歌歌手の出光仁美(37)が日刊スポーツ共栄会、千葉・大原「力漁丸」(中井聡船長=60)で、ヒラメ釣りに挑戦した。同船宿では3月中旬から5キロ台の大ビラメが上がり“お祭り”状態となっている。取材前日も最大4・7キロを筆頭に2キロ台が中心に顔をみせた上に、マハタやマトウダイ等さまざまな魚も上がっていた。今年は好調な釣果をキープする出光だったが…

今年に入って、釣果は好調だという出光。1月はキンメダイに挑戦し、最大2・1キロを筆頭に計6匹を確保。2月にはアマダイに挑み、極寒の中でカイロを握り締めながらも無事、本命をゲット。3月にはマダイに挑戦。本紙取材で静岡・久料「魚磯丸」のマダイ五目に挑戦した昨年10月は六目を上げるが、本命には会えなかった。「18年以来4年ぶりにマダイを釣りました。しかも3匹釣ってサオ頭。あんなにうれしかったのは久々でした」と笑みを浮かべていた。

そんな出光は昨年3月、同船宿でヒラメ釣りに挑戦。これが本紙釣り面でのデビューだが、1・8キロを釣り上げている。ヒラメはそれ以来だが、「今年も挑戦できて光栄です。まずは1匹釣りたいのですが、できれば昨年以上を釣りたいです」と抱負を語った。だが、不安要素もあった。船酔いだ。昨年は外房のウネリにやられ、船酔いと闘いながらも、なんとか結果を出したのだ。

中井船長が最初に選んだのは取材前日、大ビラメ祭り会場となったポイント。「アタリがありすぎて餌がなくなってしまい、やむを得ず終了したほどでした」。だが、この日は勝手が違った。潮の流れが速すぎて、(仕掛けが絡む)オマツリ続出で即移動となった。「大ビラメ祭り会場はクローズかな…」と悔しげ。その後、浅場に移動。そこではマハタ、マトウダイの姿こそみるが、本命は顔をみせなかった。

出船から2時間ほど後。出光は昨年同様、船酔いと格闘していた。記者の「あれ、船酔いですか? 大丈夫?」の問い掛けに「そのワードを出さないでください! それで(船酔いに)なっちゃうから」と、ややご機嫌ななめ。移動中は横たわることが多くなっていた。だが、ポイントに近づき船が減速すると反応して起き上がり、仕掛け投入の準備をする姿に“釣り人の意地”を感じた。

酔い止め薬を追加で服用し復活すると、再び釣りに集中。だが、アタリさえない状態が続く。「ドキドキもワクワクもない。『今のはアタリかな?』という勘違いさえもない」と苦笑。「今まではキャビンでカップラーメンとか食べていましたが、あれは余裕があったからなんですね。今日みたいな感じだと余裕がなくて、買ったけど食べてる場合ではない」と真剣モードだった。

この日は、百戦錬磨の常連客たちをもってしてもヒラメは最大2キロ船中3匹に終わった。結局出光はアタリさえないボウズで終了。「悔しい! 前回のサオ頭で運を全て使っちゃったのかな…。ボウズは何回かあるけど、アタリさえないのは人生初なので本当に悔しい」と表情をゆがめた。

中井船長は「昨日の思いがあったので同じポイントに2回行きました。2回目に行ったときは潮が緩んでいたので、『これで5キロ台が釣れる』と思ったけど全く食わなかった。理由が分からない」とお手上げ状態。今後については「大体ゴールデンウイーク(GW)辺りまでは大きなヒラメが入ってくるはずですが、今日のようなこともあるので…」と苦笑。釣りは自然を相手にする以上、こういうこともある。

出光は2月、新曲「再会橋で」を発売。前作「あいたか橋で」で会えなかった恋人との再会を望んで待つが会えなかったという歌詞だ。その内容通り、出光が熱望した“ヒラメ”との再会はかなわなかった。だが取材から3日後には、大ビラメ祭りは復活。現在も4~5キロのヒラメが上がっている。ラストチャンスを逃すな!【川田和博】

<中井船長のアドバイス~エサ付けで8割は決まる>

中井船長は、ヒラメ釣りの最重要要素は“エサ付け”だという。「釣れるか釣れないかの8割はこれで決まる」。

大原の仕掛けは親針とトリプルフックの孫針が主流。親針は「口を開けて上顎の硬いところに針をさして、目と目のちょうど真ん中から針先が出るようにしてください。鼻掛けはさしやすいけど、外れやすい」とし、「孫針は背びれか肛門辺りのどちらでもいいのですが、ヒラメは後方から食ってくるので、必ず針先がイワシの頭の方向に向くようにしてください」とアドバイス。「そうアナウンスしているんだけど、意外とみんな聞いていないんですよね」と笑った。

▼大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。予約は電話か公式アプリから行い、集合時間はその際のお伝えとなります。ヒラメは活きイワシ&氷付き1万2000円。希望出船のオニカサゴは餌&氷付き1万2500円、午後テンヤマダイは餌&氷付き1万2000円。※詳細は船宿にご確認下さい。