演歌歌手の出光仁美(37)が8日、千葉・富津「みや川丸」(宮川淳船長=62)で、手釣りのテンヤタコ釣りに挑戦した。

タコ釣りは過去に餌木とテンヤで2回の経験があるが、いずれもボウズ。「タコ釣りは本当に釣れなくて…。今日ダメだったら本当にトラウマ(心的外傷)になりそうなので、小さくてもいいので何とか1匹は釣りたいです」。

出船から1時間、ひたすら海底を小突き続けた。しかし、何の反応もない。小突き続ける左手が疲れ、右手に変えて根気強く小突き続ける。だが、特段変わった様子はない。「また今回もボウズの予感が…」。釣りでは弱音を吐かない出光の口から、そんな言葉が漏れた。

だが、その約15分後。小突き続きけたテンヤに違和感をもった。5秒ほど待ってから一気に合わせると「乗った!乗った!」と大興奮。だが、テンヤの針にはカエシがないため、取り込む際にバレたり、船体に貼りついてバレることもある。宮川船長は「できるだけ手を突き出して、おなかの前で手繰って!」とアドバイス。海面に姿を見せた瞬間外れかけたが、船長がタモでキャッチした。掛けていたサングラスを放り出し、「ヤッタ~!ヤッター! 今ぬんときたんですよ。ぬんと!」と大はしゃぎ。上がったの500グラムほど。「こんな感じだと思わなかったので半信半疑だったけど、朝のレクチャーを思い出して上げておこうと思ったら…。うれしい! こんなにうれしいとは思わなかった」と感想を話すと、「船長さん、ありがとうございました!」と感謝を口にした。

そして、1時間ほど後。突然無言で合わせを入れた。海面に姿を見せた足が太い。周囲から「デカい!」の声が上がる。小柄な出光にとっては、大ダコは船体吸着が最大の問題。だが、これも宮川船長が貼りつく前にタモで取り込んだ。上がったのはこの日、船中最大の2・6キロ。だが、1匹目ほどはしゃがない。「最初のよりは3倍くらい重かったけど、上げてくる感覚と上がった獲物の差があって、正直引いてしまいました」と笑った。乗った感覚は「記者さんから『ぬれぞうきんがぬ~と乗るような感覚』と言われましたが、まさにそれ。乾いてはいませんでした」と冗談も飛び出した。

だがその後は違和感もなく、ひたすら小突き続ける忍耐の時間。「船長が『タコ釣りは最後の一投まで諦めるな』といっていたので!」と小突き続けた。やがて船長から「ラストです」のアナウンス。すると、小突き続けた出光のテンヤに違和感発生。キッチリ合わせると、これもしっかり取り込んだ。真摯(しんし)に小突き付けたご褒美となった。

「途中ボウズの予感もしたけど、三度目の正直で釣れてよかったです。2匹目の大物よりも最初の方がうれしかった」と出光。ここ最近、プライベートの釣りでもマダイでサオ頭獲得やアコウダイも釣り上げるなど好調だ。「次はぜひマゴチでお願いします」と笑った。

宮川船長は「そもそも今日は出船できそうにない予報だったけど、途中で予報が変わった。出られただけでも運がいい」とし、「今日は潮も速く、濁りも強かったので、決して好条件とはいえない状況でした。その中で2・6キロはもっていますね」と話した。なお、この日のトップは5匹だった。今年のマダコの状況については「型は小さめだけど数はいる」とし、「これから暑くなっていけば、大型ももっと見られると思います」と予測した。