日本海の夏の風物詩・ケンサキイカ釣りを楽しもうと京都・久美浜の「第八雪風丸」で同沖へ出た。集魚灯がともされ、しばらくするとイカメタルのテンションフォールやシェイクにイカが好反応を示し、しばし入れ掛かり。竿頭はオモリグで仕留めた43センチの大剣を筆頭に12センチまでを36匹キープ。海面にはベイトフィッシュがぐるぐると群れ、イカが中層まで浮き上がる光景にイカメタルの絶好機到来を実感した。【近江康輔】

「きょうはめっちゃ面白いですね」。思わず隣の人と顔をつき合わせて声が出た。というのも、今シーズンはケンサキイカの群れが小さく、アタリを忘れてしまうほどの貧果続き。ようやく食い上げやツツーンと竿先を引き込むケンサキらしいアタリを満喫した。

夕方、久美浜湾を出て西へ少し走り、水深約40メートルのポイントに入った。集魚灯がともされ、2時間ほどすると入れ掛かり。リールのスプールをサミングしながらフォールでタナを探っていると水深約20メートルで竿先がふぁーっと浮き上がった。素早く糸ふけをとって合わせるとグーングーンとロッドが曲がる。取り込んだのは20、30センチのダブル。その後もフォールで、ダブルが3回。これぞ、イカメタルというアタリに思わずにんまりした。

船首では、オモリグで大型を狙う加賀屋一夫さん(明石市)が迫力満点の43センチをキャッチ。「明暗部にちょい投げしてはしゃくって、カーブフォールさせると釣れました。大剣の締め込みは最高ですね」とうれしそう。その隣でも、ビギナーの藤本弘幸さん(同)がシェイクしながらのリフト&フォールで20~35センチを次々にキャッチ。「ユーチューブで研究してきた成果が出ました。イカメタル、はまりますね」と目を輝かせる。

記者も、負けじと奮闘。竿下のイカがスレだすとスピニングタックルに持ち替えて遠投し、素早いワンピッチのあと、止めて待つと4連続でヒット。真下と遠投をローテーションしながら匹数を伸ばした。そんな中、目を引いたのは、タングステンの小さなメタルスッテでボトムをたたくように探る山田香織さん(大阪市)。ヤクルトサイズ(11センチ前後)ながら1投1匹でゲット。「釣っても釣っても、このサイズ。これじゃ、ヤクルトレディーですね」と苦笑い。

でも、小型が底に群れているのなら期待大。イカはすぐに大きくなるので8月に入ると面白くなりそう。結局、竿頭は加賀屋さんで、オモリグで大型、イカメタルで匹数を伸ばし、12~43センチを36匹でフィニッシュ。シルエットがはっきり出る赤緑のエギに反応がよかったようだ。

【今後の見通し】これからはイカメタルが中心。大型まじりで小、中型の数釣りが楽しめる。日ムラもあるが、新たな群れが回遊してきており期待できる。

【問い合わせ】第八雪風丸【電話】080・1456・5991。乗合船料金1万円。貸し切りは平日が7~10人で7~10万円。土、日、祝日は10人限定で10万円。

【交通】中国自動車道の福崎ICで播但有料道路に入り、北近畿豊岡自動車道へ(もしくは舞鶴若狭自動車道の春日ICで、北近畿豊岡自動車道へ)。但馬空港ICを出て、国道312号で豊岡市街へ。立野橋の交差点を右折し、久美浜方面へ。久美浜湾の北西にある湊大橋近くの小天橋観光案内所を目指し、その先の突き当たりを左折すると乗船場がある。