お盆がすぎ、アユの友釣りも後半戦に入った19日、和歌山・日高川の龍神地区に釣行した。増水後で引き水の好条件の中、「松阪食堂」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の店主・松阪正澄さんの勧めで、残りアカの多い通称・温泉下に入川。竿抜けポイントをタイトに攻め、グッドサイズの追いを引き出した。浅瀬の開きでは、新アカに縄張りを持った真っ黄色の野アユが10連続で掛かり、14~24・5センチを合計37匹追わせた。【日刊FPC・井上富博】

午前10時ごろ、岩盤にごつごつした石が点在する残りアカの絶好ポイント、温泉下へ入川した。さっそく流れが緩い瀬脇の筋にオトリを送り込むが、まったく反応なし。先行者が釣ったあとのようだ。それならとオトリを入れにくい竿抜けを探していく。水深がある急瀬にオトリを沈めると、狙い通りに野アユがアタックしてきて追い星が真っ黄色の20センチを取り込んだ。

すぐにオトリを交換。さらに急瀬をじわじわと引いて上らせると、ツンと鋭い感触がロッドに響く。入れ掛かりやんと思ったが、1号のハリスが飛ばされる痛恨のバラシ。だが、サイズの良さに期待が膨らむ。

すかさずハリスを1・2号に交換。川を下りながら水の当たる岩盤にオトリを滑り込ませるとズドーン。重量感のあるアタリで針掛かり。瀬から淵に落とされそうになるが、ロッドを強引に絞り、流芯から引きはがして引き抜いたのは、よく肥えた24・5センチだった。1カ所での連チャンは望めないため、大石に挟まれた絞り込みの流れや、大石の頭、スーッとした流れの岩盤際などをテンポよくタイトに攻めていく。オバセの調整でオトリをポイントの前で一瞬止めたり、横切らせたり、底方向への流れに入れたりしながら200メートルほど釣り下り、18~24・5センチを20匹追わせた。

そして入川ポイントに戻る途中、浅瀬の開きの流芯がうすい黄色をしているのを発見した。もしかしたらとオトリを通してみると17センチの小ぶりながら、尻尾まで黄色い野アユが追ってきた。日当たりのいい夏の浅瀬は新アカが付くのがすこぶる早い。入れ掛かりを直感。

竿を寝かせ、小さなオバセをキープしながらオトリの上るスピードに合わせて、川岸を歩いていくと予感が的中。追い星くっきりの14~18センチが10連チャンで掛かり、午後2時までに14~24・5センチを30匹追わせた。

休憩をとったあとは、温泉下より少し上流で竿を出し、2時間で20センチ超の良型を7匹追加。満足したところで午後4時半前に竿を置いた。良型も釣れ、10連チャンもありと楽しい釣行だった。

【今後の見通し】龍神のアユは海産なので10月末まで十分に楽しめる。魚影が濃く、小石底などで数釣りが期待できる。水温の低下とともに下がってくる良型狙いも面白い。

【問い合わせ】松阪食堂【電話】0739・79・0259。入漁券は年券が1万1000円、日券は3300円。同食堂の松阪正澄さんが、現地の情報に詳しい。

【交通】湯浅御坊道路の有田ICを出て県道22号、国道424号、同425号、同371号を経由し龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜けると右側に同食堂。同ICから約1時間半。