兵庫・明石、林崎の「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で開催されているメバル3匹合計長寸大会に参加しようと、昨年末に釣行した。潮の込み始めで濁りも入る朝イチの時合に良型が連発し、細糸で鋭い締め込みをいなす興奮ファイトを堪能。竿頭で23~27・3センチを16匹仕留めた。竿が立てられないほどの超大物のバラシもあり、尺クラスに期待が膨らむばかり。今シーズンも、寒気を吹き飛ばすアツいバトルが繰り広げられそうだ。

   ◇   ◇   ◇

「船のメバル釣りはめちゃくちゃ面白い。細糸(0・6号)でメバルの鋭い突っ込みに耐えるやりとりはたまらんよ」。メバル釣りに魅了されて25年。尺クラスを追い続ける後藤基彦さん(明石市)が潮の込み始める一時のチャンスを逃さず良型を連発させた。

朝イチは高砂沖の沈船ポイント(水深約30メートル)に入った。餌はシラサエビで仕掛けは胴突きの5本針。潮が緩み、メバルが磯の上に浮くタイミングを熟知した小松達史船長が「底から2メートル上まで反応が出ています。このあたりからですよ」などと、魚群探知機の反応をリアルタイムでアナウンスしながら船を流す。このときの緊張感、尺メバルへの期待感がたまらない。

そんな時合に、後藤さんが5・3メートルの長竿で25~27センチ超を次々に仕留めて意気揚々。さらに潮が濁る好条件に大型メバルが乱舞。後藤さんや、ほかのベテランたちが次々に竿を絞るが、竿を立てられないほどの強烈な引きにバラシが多発。

「磯で釣った尾長グレに匹敵するほどの締め込みだったよ」と村上良昭さん(赤穂市)が興奮した声で悔しがり、メバル3匹合計長寸大会で3度の優勝を誇る浦川隆行さん(明石市)も「上バリが2本も飛ばされた。でっかいのが浮いているぞ」と戦闘モード。大物への期待が一気に膨らみ、竿先に集中するが、時合は短く潮の流れが速くなるとメバルが磯に張りついてしまい万事休す。結局、誰1人尺メバルを手にすることはできず、後藤さんの25センチ超6匹をトップに場所替わり。

次は連掛けで数が釣れる淡路島の江崎沖で潮待ち。ここでも、後藤さんがかけ下がりを巧みにトレースし、一番乗りでつ抜けを達成。ハリスの長さ(60センチ)だけゆっくり竿を上下してメバルの食いを誘い、匹数を伸ばした。

そして潮が緩んだラスト1時間は再び大物を狙って林崎沖へ。ここは底の起伏が激しく、いかに根掛かりしないように底付近を探るかがカギになる。船が磯の谷間にさしかかると「ここからですよ。プツプツと映りがありますよ」という船長のアナウンスと同時に良型が掛かり、集中して攻めるが、残念ながら尺クラスは顔をみせずに納竿。結局、竿頭は後藤さんで、メバル釣り大会での躍進に弾みをつける釣りっぷりで他を圧倒。23~27・3センチを16匹でフィニッシュした。

当日は後藤さんのほかにも、メバル釣り大会に参加している腕達者が多数乗船。釣り損ねた大物は「これからの楽しみにとっておこう。次は仕留めるぞ」と虎視眈々(こしたんたん)。今シーズンも、小松乗合船から目が離せない。

<メバル3匹合計長寸大会開催中>

「小松乗合船」では「第16回メバル3匹合計長寸大会」を開催中。要項は以下の通り。

▽期間 23年4月末まで(予定)。

▽競技 メバル長寸3匹合計を競う。期間中は何度でも入れ替え可能。

▽参加費 無料。ただし乗合船料は各自の負担。

▽賞 3位までの入賞者には賞杯が贈られるほか、10位までと、14、21位の人に賞品が進呈される。

【今後の見通し】メバルは春までロングランで狙える。時期を問わず尺クラスが狙え、2月末からイカナゴが群れだすと活発な食いが期待できる。春になって水温が上がりだせば、引きが一段と強くなり大型の最盛期を迎える。

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金メバル釣り8500円(シラサエビの餌付き)。タチウオ釣りは、神戸沖8500円、洲本沖9000円。出船時間は要確認。木曜日定休。明石浦漁港に丸松乗合船【電話】090・6981・4620もある。

【交通】第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂の交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え、林小学校前の信号を右折し、県道718号へ。3つ目の信号を左折。林崎漁港内に同乗合船の待合所がある。