「2022年東京湾タチウオダービー」が22年8月1日~12月31日で開催され、3匹合計重量5・7キロで高橋三智子さん(56)が栄冠を手にした。

同ダービーは千葉寒川「小峯丸」、川崎「つり幸」、八景「太田屋」、久里浜「大正丸」、新安浦「長谷川丸」の5宿で開催。ルールは餌、テンヤ、ルアーいずれも可の3匹合計重量制、同重量の場合は最大魚の長さ優先。また、1度エントリーすれば、期間中の入れ替えはどこでも可で争われた。

高橋さんは8月10日、テンヤでの2・1キロと1・8キロ2匹で太田屋からエントリーすると、1度もトップを譲ることなく優勝した。「優勝できたのは佐野(一也)船長のおかげです」。太田屋は基本ルアーだが、相談の上でテンヤも可能。「佐野船長がジグとテンヤのタナを分けていってくれるので、あの日釣れたのは佐野船長のおかげ。佐野船長を信じなかったら釣れていなかったと思います」。その上で「あの日は最初からテンヤで、キロオーバーしか釣れない日でした。長さはそれほどではないけど、ぶっといのばかりでした」と振り返った。

太田屋に乗船するときは、毎回ルアーとテンヤを用意する。「サオも4本持ちこんで、そのときの状況に合わせて釣り方を変えています。でも、太田屋さんはジグ船なので、まずはジグでボウズを回避してということもあります」と明かした。

元々はバサーだった。「20年くらい前からバスをやっていましたが、離れた時期もあって、3~4年前にバスに復帰しました。その際、タチウオも始めました。だから最初はジグでしたが、2年くらい前にテンヤが流行ったときにやってみたら、アタリがダイレクトに来て、フッキングの瞬間に止まる感じがたまらなくてハマってしまいました。腱鞘(けんしょう)炎になったくらいです」。テンヤは硬めのサオで、ノンストップでしゃくるのがセオリーだが、「私は柔らかいサオを使っているので、周りからは『(テンヤが)動いてないよ!』とよくいわれます。多分、目と脳がうまく連動していないんですよね」と笑った。

ぶっちぎりの優勝にも見えたが、その裏には病気との闘いもあった。「実は昨年、乳がんの手術を受けました。回復した11月に乗ったけど、入れ替えはできませんでした」という。「今年はまだ挑戦できていないので、チャンピオン獲得を機にまた挑戦したいです」と声を弾ませた。

そんな高橋さんの今年の目標だが、「今はタチウオとワカサギしかやっていないので、他にもいろいろ釣ってみたいです」という。「友人が太田屋さんのタイラバで3キロのマダイを釣っていたので、それもやってみたいし、カワハギもやってみたい。おいしいですからね。食べるのも好きなんです。でも、数を釣るよりは大物を1匹釣りたいですね!」と勝負師の一面ものぞかせた。

高橋さんには優勝トロフィーと、副賞としてチャンピオンブルゾンとタチウオ専用ロッドが贈られた。