磯釣り界のレジェンドであり日刊釣りペンクラブの鵜澤政則氏(71)が、千葉・金谷「岡澤」(岡澤裕治船長=45)の沖磯渡船で平島に上陸、今季のクロダイ&メジナの状況を確認した。今回、「鵜澤塾」メンバーの飯村健治さん(60)宇畑好二さん(57)白石英一さん(49)も参加。メジナは今季も好調と読み、早々にクロダイ狙いに切り替えると、4人とも順調に本命を釣り上げた。
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夜明け前。鵜澤氏は岡澤釣具店前でまき餌を仕込んだ。「基本はオキアミ主体で、自分は白系の配合餌を使います。餌取りが多いときに赤系だと魚から見えてしまう」。また、「底に沈む重いまき餌よりも、宙層を漂う軽いものにしたいけど、これは自分のこだわり」と笑った。
平島に上陸するなり、「潮が澄み過ぎている。こんな日は朝イチが勝負となりそう」と鵜澤氏。最初のポイントに選んだのは島の北西部。「ここは左右に根があって、その間を潮が流れている。下げ潮では潮が右手方向から流れるのでまずはここで勝負」。
午前7時30分、釣行開始。2つの玉ウキによるフカセ釣りで餌はオキアミ。「風が強いので、普通の玉ウキだと流れてしまう。浮く物と沈む物を組ませることで、引っ張りあってバランスが取れる。これで、ギリギリを攻めます」。この日は餌取りが多く、上がって来るのはベラばかり。だが、「ベラが釣れるということは餌が底まで届いている証拠。悪くない」。釣れる魚が状況を教えてくれる。
開始から約30分後、鵜澤氏の玉ウキが海面にグッと潜ると即座にアワせ、サオ先がしなる。上がったのは35センチのメジナ。これを機にわずか5分の間に、南の飯村氏が36センチ、西の白石氏が37センチを上げた。鵜澤氏は「メジナ狙いにすればかなりの数が釣れそう。今季も好調だね」とした。
金谷の沖磯と言えばクロダイだ。メジナが好調と読んだ4人はクロダイ狙いに切り替え、まずは白石氏が43センチを上げた。「オキアミだとメジナばかりだったのでコーンに変えた。ハリスも2号から1・75号に落としたら来た」。その直後、飯村氏もゲット。立て続けに鵜澤氏もヒット。だが、白石氏がタモを入れた瞬間にバレた。頭を抱える鵜澤氏。回収した仕掛けを確認すると、針を結んだ場所から切られ、ハリスがチリチリになっていた。「ちょっと前にフグにやられた感じだったけど、まさかここをかじられていたとはね。やっちまったな…」。
休憩を挟み、飯村氏が2匹目をゲット。鵜澤氏は南のポイントに移動するとサオを5メートルから6メートルに変更。「風に強いし、無理もきく」。ファーストヒットはメジナだったが、「僕の釣りは魚を宙層に浮かせる釣りで、仕掛けをベタ底にはわせてではない。だから軽いまき餌で魚を浮かせたい。自分の戦略通りで釣れると楽しいでしょう」と目を輝かせた。ポイント移動から約1時間半後、鵜澤氏のサオが大きくしなった。「クロダイだ!」。根に入ろうと右手側に走る魚を左サイドに導き、無事タモ入れ成功。思わずガッツポーズが飛び出した。「5メートルのサオのままだったらバラしていたね」。
残るは宇畑氏。同氏は22年金谷「岡澤」磯の年間王者だが、「このままだとチャンピオン剥奪だな…」と苦笑。鵜澤氏のススメで鵜澤氏のポイントに入り45センチを上げると、「こんなに苦労したことはなかったし、プレッシャーだった。なんとか格好が付きました」とほほ笑んだ。
鵜澤氏は「今年は、メジナは数釣りが楽しめそう。クロダイは例年よりも型がいい。ノッコミが始まればより大型も期待できると思います」とアピール。そして25日現在、ノッコミ中だ!【川田和博】
■「誰にでもチャンスある」岡澤船長
今後の展望について「メジナは35センチ以上のサイズがいくらでも食いますね」と岡澤船長。実際、取材当日には別のポイントでメジナ狙いの釣り人が52匹を釣り上げていた。「クロダイはこれからがシーズンなので、誰にでもチャンスはあります。型も40センチ以上を楽しめると思います」。ともに「ゴールデンウイークあたりまで渡船受け付けで、その後は問い合わせてください」と話した。
▼金谷「岡澤釣具店」 【電話】0439・69・2232。渡船料4000円。出船は6時30分ごろ。詳細は要電話確認。