神奈川・箱根町の「芦ノ湖」で1日、ルアー・フライ特別解禁釣り大会が開催された。湖尻地区の日刊スポーツ共栄会「うえ乃」(仁階堂実店主=71)ではエンジン舟が予約満員の人気ぶりで、開幕を待ちわびたファン約70人が集まった。

この日は気温6度と例年よりは高いが、南風の風が強く、体感温度は低め。1時間もたたないうちに、ボートハウスに戻って暖を取る人が続出するほどだった。仁階堂店主は「昨年は水位が低かったけど、今年は例年なみに戻った」とし、「風が強いので、放流後のまだ体力がない固体は風下にたまってしまうかもしれません」と予測した。

「うえ乃」前の桟橋付近では、開始直後からニジマスやブラウントラウトが掛かっていた。毎年解禁に駆け付けている古川勇太さん(40)大志くん(11)親子は40センチ超のニジマスをゲット。勇太さんは「スタートしてすぐに釣れました。4グラムのスプーンで色はオレンジ。元気よく引きましたね」。大志くんは「60センチ級の大きいのが2回掛かったけど上がらなかった」と話し、「1回目はオレンジ色のスプーンで2回目は緑色のフェザー。2回目は引きが強すぎて、すぐにバレちゃった」。勇太さんは「昨年の解禁はボウズ。解禁は投げれば釣れると思っていたんだけどね。今年はリベンジできました!」と笑った。

昨年「うえ乃」でニジマス最大69・1センチを釣った斉藤文彦さん(49)は、60・5センチに終わった。「昨年同様朝イチの1投目で、昨年と同じキャンプ場前で、昨年と同じルアー(オレンジ金のスプーン)で釣れた。なかなか上がって来なかったので期待したけど、途中で跳ねたのを見て『短い』と思った。でも、太かったのでファイトは楽しかった。3年連続で釣れたのでよかった」とほほ笑んだ。

「うえ乃」のニジマス最大は塩田英憲さん(56)の67センチ。「朝イチに何度がいいアタリがあったけど、シングルフックで上げられなかった。トレブルフックに変えて取れた」と振り返った。

芦ノ湖漁協は2月にニジマス9000キロ、イワナやブラウントラウトなど2400キロを放流。同漁協の結城陽介氏は「例年並みの放流はできました。今年は例年よりも水温が高い。芦ノ湖は水の透明度が高いので風があった方が釣れるけど、今日はちょっと強すぎだったかもしれません」。

「うえ乃」スタッフの杉山高広さん(46)は「ニジマスで型を狙うなら浅場、数なら深場がオススメ。ブラウンはカケアガリにいるので、(ボートを)流したほうがいいですね」と話した。「ルアーでニジマスを狙うなら水温5~6度がいい。10度くらいまではできますが、釣果は下がるので、今の時季がオススメです」とアピールした。