演歌歌手の出光仁美(38)が13日、静岡・久料「魚磯丸」(久保田清船主=78)でマダイ五目釣りに挑戦した。同所含め、安良里「ふじなみ丸」、戸田「たか丸」、御前崎「博栄丸」の4宿で11日から駿河湾マダイダービーが開幕。魚磯丸ではその初日、2・9キロの良型が姿をみせた。

21年10月、魚磯丸でマダイ五目に挑戦した際、当時仲乗りだった“まっちゃん”こと松崎英信氏(55)からアドバイスをもらい、その後マダイ釣りでサオ頭を獲得。「まっちゃんにお礼を言いたい!」と訴え続けた希望がこの日、かなった。出光の「まっちゃんのおかげでサオ頭を取れました。ありがとうございます」に、船長となった松崎氏は満面の笑みで応えた。また、「今日も釣って、成長した姿を見せてくださいね!でも、前回の誘いが今回も合うとは限らないので、状況に応じていろいろやってみましょう」と続けた。

出光は前回、神奈川・鶴見「新明丸」で苦手なマゴチ釣りにチャレンジ。“10年に1度の大寒波”の影響もあり、ノーフィッシュに終わった。そのせいもあってか「不安しかないです。今回も釣れなかったら…」と弱気発言だったが、「今日はずっと釣り続けられるように、アネロンを2錠のんできました」と前向き。

魚磯丸の戦場は港から約5分の近場。松崎船長の合図で午前6時10分にサオ出し開始。指示ダナは上から25メートル。「ハリス分のプラス10メートル落としてコマセを振ったら、10メートル巻き上げて待ちましょう」。出光は基本的な釣り方を再度、松崎船長に確認した。

第1投目でいきなり、出光のサオ先が揺れた。「来た~! 今グンってなりましたよね? 上げてみます」で巻き上げるも「何もいない…」だった。

「反応はあるけど魚が口を使って来ない。ここ最近、魚がナーバスになっています」という松崎船長の言葉通り、魚影反応は濃いが全くアタリがない。そのまま時間だけが流れていく。「ノーピクです。何だかイヤな予感がします。まさかこのままパーフェクトボウズとか…」。パーフェクトボウズとは、アタリもないボウズのこと。20年4月、千葉・大原「力漁丸」でのヒラメ釣りの際、出光自らが作った言葉だ。

午前8時半ころには予報通り、雨が降り始める。それでも黙々とマダイ釣りに集中。しかし、現実は厳しかった。結局、結果はパーフェクトボウズ。記者が釣り上げた1キロマダイで写真撮影をお願いすると、「私、上手に笑えていますか?」と切ない発言。また、「つらいです。私、次ありますか?」と今後の起用についての心配を口にした。

松崎船長によれば、「ちょっと前は反応もなかったけど、ここ最近、反応は濃くなっています。何かのきっかけで口を使ってくれると思います」とのこと。「型を狙うなら4月以降がよさそうですが、マダイダービーの期間中は、右肩上がりで状況がよくなると思います」とアピールした。

この日の模様は後日、日刊スポーツ釣り面および、ユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」で近日公開予定。