茨城・鹿島「第三幸栄丸」(小野和儀船主=52)で20日、ヤリイカ釣りを楽しむ常連客を取材した。この日、5隻出船中4隻がヤリイカ狙い。だが、取材で乗船した1号船の梅林将人船長(38)は出船前、「今週月曜日から乗りが悪くなった。それまではトップ80~100匹も出ていた。幽霊みたいだよ」と話した。

梅林船長が狙いを定めたのは大洗沖。鹿島港から約1時間半で到着すると、そこにはヤリイカを狙う船団が形成されていた。

船中第1号は左胴の間の志田茂夫さん(67)。「2匹乗ったと思ったけど、1匹バレた。悔しいね」と苦笑。「いろいろな釣りをやるけど、この時季はイカしかないでしょう。(北茨城の)平潟にもよく行くけど、家が千葉なので遠くてね」と笑った。

米田太さん(53)には大型が乗った。「着底してすぐ巻き上げたらすぐに来た。ズンとした感じで重みがかかったけど、上げてみたら一番下。上に掛からないと数が期待できない。今日は厳しそうですね」。

左ミヨシから3番目の門井光雄さんは(58)は「18日にも来たけど、その日は8匹。今日はなんとかツ抜けをしたいです」。誘いでサオを上下すると、サオ先がわずかにしなった。取り込むと「みんなと同じで、やっぱり一番下について来る。これは厳しいかも…」。そう話した直後にはダブルヒットも達成したが、結局18日と同数だった。

紅一点の木村千恵さんは元ゴルフのキャディーさん。クラブをロッドに持ちかえた。「ゴルフは4人じゃないとできないけど、釣りは1人でもできますから」。釣り歴は10年以上だが、「初めてイカをやったときは何が面白いのか分からなかった」という。「でも釣れたら楽しくなって、今では仕掛けも自分で作っています。市販の仕掛けでくちゃくちゃになるともったいなくて」と笑い、「市販の仕掛けは結構クセがついていて、絡みやすい印象もあります。それもあって自作するようになりました」。木村さんは早々にヒット。まずは1匹を確実に取り込んだが、その後はサバの攻撃に手を焼いた。

「10日くらい前に来たときは80匹以上釣った」という柳沢基文さん(66)は右ミヨシで貴重な1匹を取り込んだ。「相手は自然だから、釣れる日もあれば釣れない日もある。釣れないからまた頑張ろうと思うでしょう。入れてすぐ釣れるなら面白くない」とある意味達観していたが、「それにしても、イカがいないな~」と笑った。

この日の状況を梅林船長は「前日に釣れた情報があってみんな大洗沖に集まったけど、反応自体が少ない。これではやりようがない」とお手上げ状態。今後については「イカ次第かな」とし、「新しい群れが入って来れば期待できます。鹿島沖はヤリイカの産卵場でもありますが、まだ産卵が終わったわけではないので、まだチャンスがあると思います」と話した。

まだまだチャンスはあるぞ!