5月24日に62歳の誕生日を迎えた“アニキ”こと俳優の哀川翔が、千葉・金谷「光進丸」(岡澤裕治船主=45)で、釣り仲間たちと誕生日記念として黄金アジ釣りに挑戦した。同船での黄金アジチャレンジは、還暦誕生日を祝って以来の2年ぶり。今回も“持っている”ぶりを見せつける釣行となった。また、サプライズで用意されたバースデーケーキは、アニキの計らいで乗り合わせた方々にも振る舞われた。

2年前の還暦祝いでは、年の数として60匹への挑戦をオファー。アニキは「ムリムリ!」と一蹴しつつも、35匹を釣り上げた。そして今回。岡澤船主の「最近は40センチ超のメガアジが大漁! 50センチ超のギガもいますから。釣っちゃってください!」に、アニキは「本当に? 前回は1匹だけだったよ。調子いんだから~」と疑心暗鬼。だがポイントまでの移動中、「50センチが掛かったら最高だね。デカいのがいるなら釣りたいな」と徐々にテンションが上がっていた。

吉沢希祥(ゆうしょう)船長(30)の指示は「水深30メートル。タナ28~26メートルで芯は27メートル。潮が速く魚の足も速いのでコマセを振って止めてください」。これは、海面から28メートルでコマセを振って、芯の27メートルでアジに食わせるイメージで、26メートルまで誘うということだ。

2投目でアニキのサオ先がビクビクと揺れるが、掛からない。「今ので掛からないの? なんで?」と苦笑。その後も仕掛けを落とすたび当たるが、掛かったのはカサゴ。「オマエじゃないんだよ!」とリリース。「カサゴが釣れるということはタナが下過ぎるってこと。潮の流れが速いからタナが取りにくいね」と笑った。

ポイントを変更すると、釣り仲間の杉さんとノブさんが同時にヒット。2人が魚とのやりとりをしている間に、アニキのサオもグンと曲がった。「潮がいい感じになって、仕掛けが真っすぐ落ちた。底から1メートルでコマセを振って2メートル上げて置きザオで待ったら来たよ」。魚影が海面に見えると「デカくねぇ?」。上がったのは40センチ超のメガ黄金アジ。「すごい手応えだった。口切れでバレるのがイヤだったから、手巻きで慎重に上げたよ」。ここでメガアジ3匹をゲットすると、「こうなるといっぱい釣りたくなっちゃうな~」と少年のように笑った。

アニキは「アジは天ぷらがオススメ」という。「80年に東京に出て来たときに、富士そばで食べたアジ天そばがうまくてさ~! それからアジは天ぷらにして、そばで食べている。今日のデカいのも、アジ天そばで食べるよ」とほほ笑んだ。

ポイント移動後、最初に釣れたのはレギュラーサイズ。「アジのイメージはこのサイズだけど、デカいの見た後だと小さく見える」と苦笑。周りもレギュラーサイズ主体となり、誰もがメガアジのチャンスタイム終了かと思った。

だが、ここからアニキの快進撃“翔タイム”がスタート! 「アジは一にも二にもタナ」の岡澤船主の言葉通り、指示ダナを必ず確認して攻めるアニキのサオ先がクンとしなった。「アタリが小さいな」。だが、リールを巻き上げている途中にグングンと引っ張られた。上がったのはメガサイズ。「デカいやつほどアタリが小さいってことか」。この後、なぜかアニキだけがメガサイズの入れ食い状態となると、岡澤船主は「僕からの誕生日プレゼントです!」と宣言した。

途中、記者のタモ入れミスによるバラシがありながらも、メガサイズ11匹をゲット。吉沢船長の「残り10分です」に、「今日はもう満足!」と満面の笑みを浮かべた。「いい誕生日記念になったよ。このサイズがこれだけ釣れるなんて思ってもいなかったからね」。ホクホクで港を後にしたアニキだった。【川田和博】

■「顔」ケーキ、みんなで食べた

帰港すると、地元の洋菓子店「カスタード」宇渡展雄社長が、サプライズでアニキの顔を描いたバースデーケーキを用意。「還暦のときも用意してくれたよね。ありがたいね。せっかくだから、みんなで食べようよ!」。アニキの計らいで釣り仲間はもちろん、この日乗船した釣り人たちに振る舞うことになった。

だが、だれもケーキにナイフを入れられない。「翔さんの顔にナイフを入れるなんて恐れ多くて…」と尻込み。「そんなこと気にしなくていいから!」のアニキの一言で、岡澤船主が入刀。乗船客たちにはアニキ自らが手渡し、受け取った女性は「まるで夢みたいです。食べるのがもったいない」と笑い、「今日乗っていて良かったです」と感動していた。

■ミラクルで気さくな62歳~記者は見た

アニキは“持っている”としかいいようがない。担当して1年ほどだが、ほぼ毎回、ラスト10~15分で本命を釣り上げている。その様子はユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」でも公開しているが、「ぶっちゃけ、演出だろう? あんなに都合よく釣れるわけがない」と言われたこともある。だが、全て事実。当然だが、やらせは一切ない。取材のたびに「まただよ!」と舌を巻いている。23年1月には“大魔神”こと佐々木主浩氏(55)と初コラボしたが、ここでもラスト10分でマダイをゲット。大魔神も「さすが、一流芸能人は持ってるわ~!」と言うほどだった。

この日も、誰もがメガアジチャンスタイム終了かと思っていた。だが、なぜかアニキだけが釣り続けた。ある意味奇跡がここまで続くと、「そんな星の下に生まれた」としかいいようがないとさえ思えた。

それでいて気さくだ。「芸能人だから」というおごりは、少なくとも記者は感じていない。今回のケーキの振る舞いはもちろん、乗船客との写真撮影やサインにも気軽に応じた。また、記者は今回、アニキのメガアジつ抜けをタモ入れミスでバラしてしまった。言い訳としては「距離が思った以上に遠かった」のだが、獲物にタモを直撃させてしまった。それでも「しょうがない、しょうがない。こういうこともある」と笑い、「気にしなくていいよ。また、釣るから!」とほほ笑んでくれた。人として器の大きさに触れたシーンとなった。

▼金谷「光進丸」【電話】0439・69・2232。午前便=出船6時,コマセ&氷付き大人9000円、子ども5000円。午後便=1時30分、同大人7000円、子ども5000円。レンタルタックル、テンビン、ビシ等あり。※詳細は必ず電話でご確認下さい。