茨城県のヒラメ釣りが1日、全面解禁を迎えた。大洗「きよ丸」(飛田和弘船長=60)には、解禁を待ちわびたファンが夜明け前から集結した。

まだ夜も明け切らぬ薄暗い午前6時前、船長の合図で一斉にサオを出した。きよ丸解禁日1匹目を釣り上げたのは小橋三男さん(69)だ。「ヒラメの解禁は必ずきよ丸に乗っているけど、もう20年以上通っています」という常連。「前アタリがあったので本アタリを待ってゆっくり合わせた」という。捨て糸は60センチとやや長めを使用。また、「底を20~30センチ切っているので、捨て糸込みで約1メートルは浮かせています」というが、その理由は「大物を取りたいから」だ。ヒラメは底物だか、ベタ底狙いではソゲ(小型のヒラメ)が食い付く。飛田船長は「底から1~1・5メートル浮かせた方が大物が食うし、ソゲもかわせる。でもアタリも少なくなるので我慢も必要になる」と話した。

解禁日らしく、タモ入れが間に合わない時間もあったが、全体的には型が小さめ。そのため船長はポイント移動を決断。これが功を奏し、次のポイントでは2~3キロ級主体に釣れた。 そんな中、小橋さんがこの日最大6.5キロを上げた。「前アタリがあってすぐにグンとなった。大きいとは思ったけど、まさかここまでとは思わなかった」とうれしい誤算。「20年以上解禁日に来ているけど、解禁日としてはこれが最大。いいスタートが切れました」とホクホクだった。

サオ頭は10匹で吉田謙吾さん(54)と戸塚茂さん(68)の2人。船中は75匹だった。飛田船長は「イワシの反応が濃く出ていた場所で型が出てくれた。何はともあれ、ゼロもなくみんなが釣れたので良かった。6.5キロも出たし、解禁日としてはいいスタートだったと思います」とほほ笑んだ。「きよ丸」のヒラメは3月いっぱいまで楽しめる。【川田和博】 

この日模様は、本紙10日付釣り特集面(関東版)で掲載。また、ユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」は近日公開する。