今年1年を締めくくる日刊スポーツ東北版のサオ納めは19日、福島・相馬港沖で行った。

クリスマスウイークに合わせた毎年恒例の「クリスマス釣り~い」。同港の日刊スポーツ新聞社指定「賀都屋・明神丸」で狙う最大のターゲットは南東北の太平洋沿岸で年末年始の祝い魚としてもてはやされる子持ちナメタ(ババガレイ)だ。ピーク時には卸値で1キロ2000円以上に高騰する高級魚。試し釣りを兼ねた今季初釣行では乗船6人で計4匹の「お宝」をゲット。マコガレイやカナガシラを交えた「ナメタ五目」を楽しんだ。

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小刻みにエサを躍らせていたサオ先にかすかな重みが加わった。「グッ、ググ~ン」。押さえ込むような前アタリ(魚信)に続く明確な本アタリ。水深36メートルラインの自然根から満を持して釣り上げたのは全長45センチの子持ちナメタだ。

本命ナメタの連続ヒットは早朝から始まった。午前7時前、左舷中間の三浦隆義さん(82=福島市)が40センチ級を船中初ヒット。その15分後には右舷船尾の西川豊一さん(71=福島・南相馬市)が同サイズを釣り上げ、船上は一気に活気づいた。

メインポイントは相馬港から南東沖に航程60分ほどの水深35~40メートルライン。海底に高低差2メートルほどの自然根や人工漁礁が点在する好釣り場だ。「賀都屋・明神丸」の統一仕掛けはオモリ50号セットの片テンビン2、3本バリ。ナメタは岩場上部にも生息するだけに、幅広く探る上でも全長80センチの長めの仕掛けが有利だ。釣り方のコツは丸セイゴ13号以上の大きめのハリにエサのアオイソメを多めにセットして大型魚にアピール。前アタリを感じたらエサを浮かせ気味に向こうアワセを待つこと。確実に取り込むためにも早アワセは禁物だ。

海水温が例年より高めの今回はショウサイフグの強襲に大苦戦。エサ盗りやハリス切れに悩まされたが、まさに正月前に福(フグ)来る。ナメタ同様、産卵直前の子持ちマコガレイやカナガシラなどの多彩な釣果をマークした。圧巻は右舷中間の野村雅彦さん(60=福島・南相馬市)が終了1分前のラスト勝負でイシガレイ50センチ超をゲット。ナメタやマコガレイにカナガシラとショウサイフグ(放流)を交え、「ナメタ五目」を達成した野村さんは「ヒラメは夏場にたくさん釣った。飽きたので岩場狙いを待っていました。年内にもう1度来ます」とクリスマスイブならぬ〃サオ納めイブ〃を満喫した。釣り場調査の試し釣りを終えた「賀都屋・明神丸」の佐藤正明船長(55)は「年明けは生きイワシをエサにする五目釣り中心ですが、希望者が多ければ狙いたい」と「イワシ五目」と「ナメタ五目」の二刀流を約束した。【佐々木雄高】

 

◆賀都屋・明神丸(かどや・みょうじんまる) 相馬港に隣接する松川浦に旅館・賀都屋、細町に系列のまつかわ釣具店を経営。遊漁船「明神丸」(10トン)は定員15人(乗客12人)で相馬港・第1船だまりから出航。現在の乗合船は午前5時30分出船で正午沖上がり。希望出船のナメタ主体の五目釣りは1人1万円(エサ別)。年明けから主力になる生きエサ使用の五目釣りは同1万2000円(生きイワシ付き)。新年は4日から営業。予約、問い合わせは電話090・2609・6022(佐藤船長携帯)